国連:サウジ非常任理事国辞退に「前例ない」驚き広がる

毎日新聞 2013年10月19日 11時45分(最終更新 10月19日 12時46分)

 【ニューヨーク草野和彦】アラブの盟主を自任するサウジアラビアが18日、初めて選出された国連安全保障理事会非常任理事国のポストを突然辞退し、国連内に驚きが広がった。「把握している限り前例がない」(国連事務総長報道官)という異例の事態。サウジは安保理の「二重基準」などを理由とするが、シリア内戦への対応やイランの核問題を巡って関係が冷却化しつつある米国と、安保理内で協力することに抵抗を感じた可能性もある。

 米国はサウジに軍基地の提供を受ける一方、サウジも安全保障を米国に依存するなど、両国は互いを必要としてきた。

 サウジ外務省が18日に出した声明では、シリア内戦を終結させられない「安保理の無力ぶり」を非難。反体制派を支持し武器や資金を提供してきたサウジは、これまでアサド政権を擁護するロシアや中国を批判する立場にあった。一方で、米国がアサド政権に対する軍事攻撃の方針を撤回したことに強い不満を持っていたとされる。

 また、イスラム教スンニ派の盟主であるサウジは、シーア派国家のイランと対立。米国とサウジが接近する要因だったが、ロウハニ新体制となったイランと米国が対話を始めたことに不信感を強めていた。

 サウジが安保理メンバーに選ばれたのは今回が初めてで、任期は来年1月から2年間。モアリミ国連大使は17日の選出後に「これから2年間、他の安保理メンバーと共に働くことが楽しみだ」と笑顔で語っていた。その直後の「辞退声明」で、国連加盟国はサウジの真意を測りかねている。潘基文(バン・キムン)事務総長は18日、サウジから辞退通知は届いていないことを明らかにした。

 サウジが正式に辞退せず安保理を欠席した場合、14カ国での会合が招集されることが想定される。過去には、旧ソ連が1950年に半年間、国連の中国代表権問題をめぐって安保理を欠席した。

 非常任理事国は5地域別に割り当てられており、サウジはアジア太平洋グループの承認を受け、国連総会で選出された。サウジが正式辞退した場合は、このグループから新たな候補を選び、総会で改めて選出することになるとみられる。

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