米無人機攻撃:国連「04年以降450人以上巻き添え」
毎日新聞 2013年10月19日 10時46分(最終更新 10月19日 12時43分)
【ニューヨーク草野和彦】イスラム過激派掃討のため、米国などが多用している無人機攻撃で2004年以降、パキスタンとアフガニスタンだけでも民間人450人以上が犠牲になっていることが分かった。国連人権理事会(ジュネーブ)が調査を依頼したエマーソン特別報告者の中間報告で明らかになった。
報告は特に米国について、無人機攻撃に関する情報公開の乏しさを指摘。「可能な限り」対テロ作戦や民間人犠牲者のデータを公開するよう勧告した。
報告書によると、パキスタンでは04年以降、少なくとも330回の無人機攻撃があり、2200人が死亡。うち民間人は少なくとも400人に上るとしている。パキスタン外務省からの提出を受けた資料などを基にした。
また、04年6月から08年6月までの米国による無人機攻撃について、パキスタン軍部や情報機関幹部の合意があったことを示す「強い証拠」があると指摘。一方で、同国議会は12年4月に攻撃停止を求める指針を採択していることなどから、攻撃が主権侵害にあたるとの見解を示している。
アフガニスタンでは58人の民間人が犠牲になったとしている。
エマーソン氏は今月25日に国連総会第3委員会(人権)に中間報告を、最終報告は来年、人権理事会に提出する。