ヤフオク!(旧・Yahoo! オークション)や楽天オークションなどに代表されるインターネットのオークション。多様な商品を安価で購入できるサービスとして定着しているが、その一方で、「入金したのに商品が送られてこない」などの詐欺や不正が頻発している。専門家からは「運営側はユーザーを増やす施策には前向きだが、本人確認などユーザー減を招きかねない施策には後ろ向き」という指摘もあり、トラブルに遭うユーザーはいまだ少なくない。
オークションサイトのトラブルといえば、ペニーオークション詐欺が記憶に新しい。ペニーオークションは入札するごとに手数料が掛かる仕組みだが、ボット(自動で投稿・入札をするロボット)による入札を運営側が繰り返し、手数料をだまし取っていたとされる。また、芸能人がステルスマーケティング(広告だと気付かれないように一般消費者に宣伝すること)に関わっていたことでも問題になった。
ペニーオークションのトラブルは、サイトを運営する業者自体が詐欺を働いていたケースだ。一方、ヤフオク! や楽天オークションなどは、業者はあくまでプラットフォームの運営者であり、C to C(Consumer to Consumer/一般消費者同士)の取引が基本。しかし、出品者に詐欺を目的とした業者が紛れ込むこともあるから注意が必要だ。
●オークションに業者が参入して魅力が減退しているそもそも、C to Cによるオークションの魅力は、多彩な商品が出品され、市場に出回っていない逸品がゲットできることや、出品者と落札者の間でコミュニケーションが生まれることにある。しかし、ユーザーが増えるに従い、出品側に業者が進出するようになり、多様性が失われていく傾向が顕著になる。
あるユーザーによると、「メーカー提供の画像を使い家電を売るなど、量販店と変わらない商売をしている業者もいる。さらに楽天市場に出品されている商品をヤフオク!に掲載し、落札された後に楽天市場から購入して商品を送る手法もあります。楽天市場のほうが安いため、その差額で儲けているんです」という。
●詐欺が多発