伊豆大島(東京都大島町)の土石流被害で、町災害対策本部は19日朝に会議を開き、二次災害の恐れがある地域を対象に同日午後に避難勧告を出すことを決めた。島では同日夕方から雨が本格化する予報となっており、二次災害を防ぐ準備が急ピッチで進んでいる。
台風情報町によると、勧告の対象地域は、台風26号による土石流被害を受けた元町地区の周辺などで、避難者は数百人以上となる見込み。高齢者を優先し、学校の体育館などにバスで避難させる。雨の状況によっては避難指示への引き上げも検討する。川島理史(まさふみ)町長は報道陣に「明るいうちに避難を終えたい」と話した。
気象庁によると、20日午前には1時間に20ミリの「強い雨」が降る予報。19日午前9時現在、南太平洋のマリアナ諸島付近に台風27号があり、26号と似た進路で北上している。中心付近の気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル。24日午前には日本の南に進んでくる可能性があるという。
国土交通省の担当者7人が現地調査したところ、19日午前、土石流が起きた大金沢の中流にある土砂をためる施設が、約2万5千立方メートルの土砂で満杯になっていることを確認した。担当者は「万が一施設が壊れると、下流に流れ出す可能性がある」と話し、点検を続けた。
東京都は、町中心部の町道沿い2カ所に計約540メートルにわたって土嚢(どのう)を積み上げ、高さ1〜2メートルの壁を築く作業を進めている。
警視庁によると、同日午後2時現在、遺体で見つかったのは27人。うち19人の身元が確認された。なお22人の行方がわかっておらず、自衛隊や警視庁、東京消防庁などが1200人態勢に人員を拡大して捜索している。避難勧告が出れば捜索は中断する方針という。