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【コラム】韓日関係、いつまで放置するのか

 こうなった以上、韓国は日本と取引する道に進むべきだ。日本の「もの」は日本に与え、韓国の「もの」は取り戻すという「取引」だ。日本がどこに向かおうが、自衛権であろうが、神社参拝であろうが、韓国が同調しようと反対しようと、それは形式的には日本人の選択だ。韓国が問題提起しても、日本はその方向に進むだろう。ならば、それらを日本の選択に任せる代わりに、韓国と直接的に関係する独島(日本名:竹島)問題と従軍慰安婦問題については、韓国に有利な方へ引っ張るというわけだ。日本にとっても頭の痛い問題に、出口を用意するという大義名分を提供できるだろう。それが指導者の交渉力だ。

 現在の韓国にとっても、日本との関係を正常化することは非常に重要だ。経済的にもそうだし、産業・技術の面でもそうだ。今の硬直した状態が長期化した場合に、韓国が日本から得られる物と失う物とを比較する知恵が必要だ。日本国内には、「韓国と共に進むこと」を望む世論も反韓世論に負けないくらい存在していると聞く。

 さらに韓国が深く考えるべきことは、アジア安全保障戦略の面で「日本を矢面に立たせる」意図をあらわにした米国と、今度どのように調整していくかということだ。数日前、釜山港を出た米海軍の原子力空母ジョージ・ワシントンは、進路を変更して韓中の境界になっている西海(黄海)に入り、そこで韓国の記者を同乗させた。この行動は、米国が北東アジアのどこに安全保障の「マジノ線」を引いているかを象徴的に示しているとみるべきだ。

 韓国は、日中どちらか一方に傾かないよう留意しなければならない。両国どちらも遠ざけてはならない。そして、その中で米国と歩調を合わせることも重要だ。それが韓国の安全保障の難しい課題だ。こうした課題を敗北主義の産物だという声もあるかもしれない。しかし現在、自国を独力で守れない韓国にとっては、それが最上の現実主義だ。

 「植民地時代の歴史が繰り返されかねない」という悪夢に、これ以上韓国が悩まされる理由はない。今は19世紀ではないし、現在の韓国はかつての朝鮮でもない。今こそ被害意識や敗北主義から抜け出し、周辺国と関係を構築する上で韓国が能動的、主導的、かつ中継的な役割を模索する必要がある。朴大統領にとっても、周辺国、とりわけ日本との関係を韓国国内の「人気取り」の手段や国内政治の延長にしないという成熟度、さらには大胆さを示すチャンスでもある。

金大中(キム・デジュン)顧問
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