先週の週刊現代連載記事です。
昨夜のJーWAVE JAM THE WORLD でもインタビューコーナーで取り上げました。
この法律が通ったら、ブログやツイッターでの情報発信、取材の自由など様々な規制がかかるでしょう。
アメリカでも、大手マスコミが出さない情報を発信する独立ジャーナリストは真っ先にターゲットにされました。そして「原発情報」はまず間違いなく「軍事機密」のカテゴリーでしょう。
「アメリカ発<平成の治安維持法>がやってくる!」
ジャーナリスト 堤 未果
3月31日、安倍総理は今秋国会での「秘密保全法」提出を発表した。
日弁連などが警鐘を鳴らし続けるこの法案、一体どれだけの国民がその内容を知っているだろうか?
01年の同時多発テロ。あの直後にアメリカ議会でスピード可決した「愛国者法」がもたらしたものを、今ほど検証すべき時はないだろう。
あのとき、恐怖で思考停止状態の国民に向かって、ブッシュ元大統領はこう力説した。
「今後、この国の最優先事項は治安と国会機密漏えい防止だ。テロリスト予備軍を見つけ出すために、政府は責任を持って全米を隅々まで監視する」
かくして政府は大統領の言葉を忠実に実行し、国内で交わされる全通信に対し、当局による盗聴が開始された。それまで政府機関ごとに分散されていた国民の個人情報はまたたく間に一元化され、約5億6千万件のデーターベースを50の政府機関が共有。通信業者や金融機関は顧客情報や通信内容を、図書館や書店は貸し出し記録や顧客の購買歴を、医師達は患者のカルテを、政府の要請で提出することが義務づけられた。
デンバー在住の新聞記者サンドラ・フィッシュはこの動きをこう語る。
「米国世論は、それまで政府による個人情報一元化に反対でした。憲法上の言論の自由を侵害する、情報統制につながりかねないからです。でもあのときはテロリストから治安や国家機密を守るほうが優先された。愛国者法もほとんどの国民が知らぬ間に通過していました」
だが間もなくしてその“標的”は、一般市民になってゆく。
ペンシルバニア州ピッツバーグで開催されたG20首脳会議のデモに参加したマシュー・ロペスは、武器を持った大勢の警察によって、あっという間に包囲された経験を語る。
「彼らは明らかに僕達を待っていた。4千人の警察と、沿岸警備隊ら2千5百人が、事前に許可を取ったデモ参加者に催涙弾や音響手りゅう弾を使用し、200人を逮捕したのです」
理由は「公共の秩序を乱した罪」。
その後、ACLU(米国自由市民連合)により、警察のテロ容疑者リストに「反増税」「違憲政策反対」運動等に参加する学生たちをはじめ、30以上の市民団体名が載っていたことが暴露されている。
政府による「国家機密」の定義は、報道の自由にも大きく影響を与えた。
愛国者法の通過以降、米国内のジャーナリスト逮捕者数は過去最大となり、オバマ政権下では七万以上のブログが政府によって閉鎖されている。
為政者にとってファシズムは効率がいい。ジャーナリストの発言が制限され国民が委縮する中、政府は通常なら世論の反発を受ける規制緩和や企業寄り政策を、次々に進めていった。
ブッシュ政権下に時限立法として成立した「愛国者法」は、06年にオバマ大統領が恒久化。
その後も「機密」の解釈は、年々拡大を続けている。
日本の「秘密保全法」も、日米軍一体化を進めたい米国からの〈機密情報保護立法化〉要請が発端だ。その後、07年に締結した日米軍事情報包括保護協定を受け、米国から改めて軍事秘密保護法の早期整備要求がきた。 だが米国の例を見る限り、軍事機密漏えい防止と情報統制の線引きは慎重に議論されるべきだろう。なし崩しに導入すれば〈愛国者法〉と同様、監視社会化が加速するリスクがある。
震災直後、テレビ報道に違和感を感じた人々は、必死にネットなどから情報収集した。
だがもし原発や放射能関連の情報が国民の不安をあおり、公共の安全や秩序を乱すとして〈機密〉扱いにされれば、情報の入手行為自体が処罰対象になるだろう。
公務員や研究者・技術者や労働者などが〈機密〉を知らせれば懲役十年の刑、取材した記者も処罰対象になる。国民は「適正評価制度」により「機密」を扱える国民と扱わせない国民に二分されるのだ。
行き過ぎた監視と情報隠ぺいには私達も又苦い過去を持ち、国民が情報に対する主権を手放す事の意味を知っている。歴史を振り返れば〈言論の自由〉はいつも、それが最も必要な時に抑えこまれてきたからだ。
(週刊現代:4月14日連載「ジャーナリストの目」掲載記事)
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秘密保全法が成立すれば、原発事故当初のサブマージョンプルームによる国民の初期被曝が隠蔽されてしまいます。
ヨウ素やセシウムによる外部被曝及び内部被曝ばかりが取り上げられていますが、クリプトンやキセノンなどによるサブマージョン被曝はいまだに隠蔽されたままです。内閣官房参与の小佐古氏の辞任会見でもこのことを訴えてましたが、みんな知らないフリを続けています。
これにより、今後の健康被害も放射能とは無関係とされてしまいます。原爆や水俣病の被害者も同じですが、今回は規模が大き過ぎるゆえ、いたしかたないのでしょう。国家とは、どこでもこんなものなのでしょうか。
2013/4/18(木) 午前 9:54 [ 郡山被曝者 ]
秘密保全法はファシズムへ政治が 国家統制が移行する必須項目であり絶対に許されません。官僚が優秀なのであれば、情報処理は 情報処理で対抗すべきであり、言論の封殺は自由民権運動以来の先達の勝ち取った成果を無に帰するものです。少なくとも国家権力が言論を封殺することは絶対に阻止しなくてはいけません。一方 公務員の機密漏えいに関する処罰は最高無期懲役 及び私財の没収など更に厳しくしすべきであり、且つ司法の堕落も早急に改善すべきです。
2013/4/19(金) 午前 10:49 [ ちー ]
怖いです。マイケル・ムーアの映画で愛国法の怖さをみました。こくみんが何かをすることによって、
まだ防げるでしょうか。言論、出版の自由がいかに
大切なものか。
2013/4/19(金) 午後 7:23 [ momotropicalfruit ]
かの悪名高き「愛国者法」に準ずるもんなら、日本も暗黒社会へまっしぐらやろね。
それほど、阿漕な嘘・謀略・背任が溢れとるってことやんかい。
2013/4/21(日) 午前 9:53 [ rou_toru ]
安倍暗黒政権、学んでるね。安倍がここまで賢いとは思えないけど、誰がこの政権を操っているのだろう?景気に国民の目をくぎずけににしておいて、その間に着々と安倍の強い国への準備。
だいぶコマを進められてしまったけど、この法案は絶対とうしてはならないね!言論の自由が危ない!
2013/4/21(日) 午後 4:59 [ runpon ]
それよりスパイ防止法こそ早く、、と思いますが
言論出版の自由は大切ですがどこかの外国の創作鵜呑みのプロパガンダ垂れ流し出版報道もも困ります
2013/4/22(月) 午前 0:29 [ ジェダイの戦士 ]
政府批判も犯罪視になるの?
俺間違いなく起訴拘留だな(笑)
2013/4/28(日) 午前 11:45 [ pon ]
私も、流罪になりそうです。許せないですね。不正選挙の次は言論の自由を奪い、徴兵制の国防軍を作り、憲法改正、TPPと、日本破滅へのカウントダウン、今ならまだ止められますか?間に合うのでしょうか?
2013/4/28(日) 午後 11:10 [ ポッキー ]
安倍だったら間違いなくこの法案成立に全力をあげるだろう。全力で阻止しなければ!
2013/5/3(金) 午後 5:19 [ 花水木 ]
怖いお話でした。
2013/5/6(月) 午後 10:43
細かいことで恐縮なのですが、06年にオバマ大統領が恒久化とありますが、彼が大統領になったのは09年からでは?
2013/5/11(土) 午前 8:13 [ 幽霊 ]
秘密保全法で、ケッシュ財団から受け取った技術は封印されるかもしれない。
ttp://sunshine849.blog.fc2.com/blog-entry-118.html
ttp://www.onpa.tv/2013/08/11/1893
現在起こっている、原発問題、経済問題、環境問題といった様々な問題を根本的に解決できる技術を政府はケッシュ財団から受け取っている。
しかし政府はそれをひたすら隠蔽して実用化しようとはせず、このままでは秘密保全法で死蔵封印されるだろう。
ケッシュ財団の技術を使うなら、このような問題は既に全て解決し、世界は平和へ向かうだろう。
2013/9/14(土) 午後 0:50 [ sio-san ]
勉強不足ですが秘密保全法は絶対やばいと解ります。911で監視国家になったアメリカの後を追ってます。
2013/10/14(月) 午前 8:40 [ サリー ]
プログ見ました。特定秘密保護法案は憲法違反だと改めて思いました。
2013/10/14(月) 午後 0:45 [ yvf*116* ]
集団自衛権で、地下トンネルを掘って憲法9条を壊すのとセットですね。
2013/10/18(金) 午後 9:02 [ seki ]