東京五輪:「新国立」最大3000億円に膨らむ…見直しへ

毎日新聞 2013年10月19日 07時45分(最終更新 10月19日 08時21分)

新国立競技場のイメージ図=日本スポーツ振興センター提供
新国立競技場のイメージ図=日本スポーツ振興センター提供

 2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の総工費が、見込みの1300億円から最大約3000億円まで膨らむ可能性があることが分かった。収容人数を増やすための大型化や独特のデザインの採用が響いたとみられ、政府は、新競技場の規模見直しなどコスト削減の検討に入った。【田口雅士】

 競技場を運営する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(JSC)が選んだデザインを基に、基本設計の準備を請け負っている業者が総工費を試算。文部科学省にも報告された。

 見込み額の1300億円は、約7万2000人収容の日産スタジアム(横浜市)の総工費約600億円に、開閉式屋根の取り付け代などを加えてはじき出した。だが、流線型のアーチで開閉式の屋根を支える斬新なデザインの採用や、延べ床面積を12年のロンドン五輪の主会場の3倍近い約29万平方メートルとしたことで、通常の競技場より総工費がかさみ、見込み額で収めるのは難しくなった。

 試算は、競技場の床面積を約22万平方メートルに縮小すると、総工費は約1800億円に減るとした。それでも見込み額を大きく上回っている上、物価上昇や消費増税、東日本大震災の復興事業本格化に伴う資材価格、人件費の高騰が、総工費を押し上げる可能性もある。

 厳しい財政事情を抱える国は、五輪後も競技場などの施設を活用できる都に対し「協力してもらう」(下村博文文科相)と、総工費の一部負担を要請。都は16年夏季五輪のために積み立てた「開催準備基金」約4000億円を持っているが、「国立競技場は国が整備すべきだ」(スポーツ振興局)としており、折り合いはついていない。総額が上ぶれすれば、調整はさらに難航しそうだ。

 総工費についてJSCは「1300億円はデザイン公募にあたっての目安として提示した。デザイン決定を受け、規模とコストを精査しており、総額がどうなるかのコメントはできない」と説明。文科省の担当者は「お金がかかり過ぎないよう複数の案を検討している」としている。

 現競技場は、14年7月〜15年10月に解体、19年3月の新競技場完成を目指す。デザインは、国内外の応募作46点から、英建築事務所「ザハ・ハディド・アーキテクト」の作品を採用した。

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