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【大リーグ】上原、5人締めでリーグ制覇王手 大魔神に並ぶPS4セーブ目2013年10月19日 紙面から ◇ALCS第5戦(17日・デトロイト)レッドソックス4−3タイガース【デトロイト穐村賢】ア・リーグの優勝決定シリーズ(LCS)第5戦が17日(日本時間18日)、当地で行われ、レッドソックスが4−3で競り勝ち、3勝2敗として6年ぶりのリーグ制覇に王手をかけた。上原浩治投手(38)は1点リードの8回1死から登板し、1イニング2/3を無安打無失点に抑え、マリナーズ時代の佐々木主浩と並ぶ日本人最多タイの4セーブ目。大車輪の活躍で、2009年ワールドシリーズ(WS)の松井秀喜以来となるポストシーズン(PS)でのMVPも見えてきた。第6戦はボストンで19日(同20日)に行われる。 気力を振り絞った。最後の打者イグレシアスの二飛が、力なくペドロイアのグラブに収まる。WS進出に王手をかける大きな勝利。だが、マウンドの上原に、いつものド派手なガッツポーズはない。勝利をかみしめるように右拳を握り、疲れ切った表情でつぶやいた。 「もう休みたいです。今も足がガクガクしてる。ちょっと登板が早くて精神的にきつかった」 レギュラーシーズンで73試合に登板しても平気な顔をしていた男がもらした弱音。それほど、心身ともにすり減らす27球だった。出番は1点リードの8回1死から。5回からジワジワと追い上げられる嫌な展開。逆転を期待する敵地のファン。大舞台の重圧。そして、今PS9試合中7度目の登板で、2試合連続&3度目となる8回途中からのマウンド…。厳しすぎる状況の中、修羅場をくぐり抜けてきた右腕は腹をくくった。 「半分、開き直り。打たれたって知らない、みたいな感じ」 8回は低めのフォークボールがさえて2者連続三振。9回は3人の打者すべてにボールが先行する苦しい展開ながら、大胆に攻めて左飛、中飛、二飛で三者凡退。「球場の雰囲気も全然違うし、ボールが合わず、アップアップだった」と振り返りながらも、底力を見せつけて5個のアウトをもぎ取った。 これで大魔神・佐々木と並び、日本人投手最多タイとなるPS4セーブ目。地区シリーズではサヨナラ弾を浴びたが、LCSでは4試合に登板して1勝2セーブ、無失点と圧倒的だ。タ軍からの3勝はすべて1点差で、いずれも最後を締めたのは上原。敵将リーランド監督に「脱帽だよ」と言わしめた右腕は、LCSのMVP最有力候補にも挙がっているが、今はそんな個人タイトルに興味はない。 「あと1個勝ちたいという気持ちをみんなが持ってる。またあさってがんばります」 第6戦は本拠地ボストン。疲れはある。でも、充実感が上回る。6年ぶりのリーグ制覇まで、あと1つ。遮二無二腕を振る38歳に、歓喜の瞬間が近づいている。 PR情報
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