ホッとニュース 【10月19日01時45分更新】

農業事業、能登全域へ スギヨが穴水に進出

スギヨファームが経営する農場。来年3月、穴水町にも進出する=七尾市能登島地区
 水産加工販売のスギヨ(七尾市)は18日までに、能登半島全域を視野に農業事業を拡 大する方針を決めた。現在、先行的に取り組む七尾市能登島地区の農場に加え、来年3月 、奥能登で初となる農場を穴水町に整備し、将来的に能登各地で計約100ヘクタールま で農地を広げる。世界農業遺産「能登の里山里海」のブランド力を生かし、全国の飲食・ 小売店に農産物を供給したい考えだ。

 近く、スギヨの関係者が石川県庁に谷本正憲知事を訪ね、進出を正式表明する。

 農業事業は関連会社のスギヨファーム(七尾市)が手掛けており、今回、新たに穴水町 鹿波の農地9ヘクタールを借りて事業を拡大。数年後に同所で20ヘクタールまで増やす 。飲食店向けのサツマイモやニンニクを栽培するほか、サツマイモはペースト状に加工し て菓子業者などに販売する。

 スギヨが借りる予定の農地では現在、地元農家がそば、麦を栽培しているが、高齢化で 耕作放棄地となる懸念があったため、県と穴水町が進出を働き掛けていた。

 県によると、県内の耕作放棄地の約8割は過疎・高齢化が進む能登地区に集中している 。スギヨは能登での農地拡大に伴い、新規雇用を計画しており、若者の就業促進や農業再 生にも効果が期待できるという。

 2005年に農業経営基盤強化促進法の改正で企業への農地貸し出しが解禁され、スギ ヨは07年に法改正を受けた県内第1号として農業分野に参入した。同社は現在、能登島 の26ヘクタールでキャベツとタマネギを栽培しており、今後は能登島、穴水以外でも候 補地を探し、能登地域での事業拡大に取り組む。


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