国家戦略特区:政府、今国会で成立目指す 項目追加も
毎日新聞 2013年10月18日 21時58分
国家戦略特区に関する規制改革の検討方針が決まったことを受け、政府は関連法案を11月上旬に閣議決定し、今国会での成立を目指す。早ければ年末にも特区第1号を指定したい考えだ。ただ、規制改革のメニューをそろえるよりも、戦略特区という「器づくり」を急いだ感は否めず、法案作成で課題も残っている。
安倍晋三首相は18日、方針を決めた日本経済再生本部で「これは始まりに過ぎない。民間企業や地域からの新たな問題提起を通じて、さらなる規制改革の課題が必ず浮かび上がってくる」と述べ、法案成立後も順次、規制改革項目を追加する考えを示した。まず特区制度を導入した上で、有期雇用契約の上限を現行の5年から延長することなどを検討する。
関連法案の骨子によると、政府は特区ごとに、首相が指定する閣僚や関係自治体の長、事業者からなる会議を設置。会議は事業内容やそれに必要な規制緩和措置などを盛り込んだ「国家戦略特区計画」を策定し、特区が始動する。特区の選定はこれからだが、首相の念頭には東京、大阪などの大都市がある。
しかし、骨子では特区ごとに設ける会議について「国家戦略特区計画は会議の構成員全員の合意により作成する」という文案がある。自民党からは「関係閣僚が規制緩和に反対すれば、計画は骨抜きになる」という批判も出ており、政府・与党間の調整が続いている。【念佛明奈】