NEWSポストセブン

加藤鷹 引退宣言するも人材育てる必要を感じすぐに宣言撤回

2011.10.20 15:59

2011年はアダルトビデオが産声をあげて30年。1980年代後半からAV界を支えてきた2人のAV男優、加藤鷹・チョコボール向井の2人が、改めて「AV男優事情」について語っている。出演作品6000本超という加藤と、最高で月50本の作品に出ていたとチョコボールが語る、「AV男優のあり方」とは?

* * *
加藤鷹(以下「鷹」):究極のセックスってテクニックや体位じゃないからね。そんなことより、大事なのは女優の心の中に分け入っていくことだよ。性格の悪い女とか性感の鈍い女だと、オレの腕の見せ所ってことで、すっごく燃えちゃうんだ。

チョコボール向井(以下「チョコ」):とはいえ、女優さんと恋愛しちゃうのはご法度。

鷹:オレも何度か噂されちゃった(苦笑)。ただ、女優と男優のどっちかが引退する気なら、プライベートもアリだろうけど、互いに現役を続けるのなら付き合うのはやめたほうがいい。

チョコ:最近の男優は、けっこう現場でデキちゃうみたいなんですよ。

鷹:そういうのって使う側がキャスティングしづらいし、現場の雰囲気だって気まずくなっちゃう。

チョコ:でも相性のいい女優さんはいますよね。女優から逆指名してもらうと励みになります。

鷹:オレの場合は森下くるみかな。あの子はすっごく素直。とはいえ、マグロのまま。オレがどれだけがんばっても、全然感じてくれない。

チョコ:あのマグロっぷりが逆にリアルだったんですよ。

鷹:そうだよね。素の反応がエロかった。オレたち男優もテクニックに走って、セックスをエンターテインメント化するばかりが能じゃないって、改めて気づかされた。

チョコ:そういうところを意識しないから、最近イキのいい男優が出てこないのかもしれません。

鷹:だけど、もう男優なんて必要とされてないんじゃない? 射精するロボットがあればいいって感じ。撮影中に演技するのはもちろん、男優が呼吸をしても嫌がられてしまう。

チョコ:業界もエロが大好きで、スケベな“ビデオ屋”が少なくなり、ビジネスだと公言する“企業”や“サラリーマン”が多くなりましたしね。監督も代々木さんや村西とおるさんみたいなタイプは激減しました。

鷹:オレもそろそろ引退しちゃおうかな(笑い)。テレビに出てる“マスカッツ”なんて、誰とも共演していないしね。ステージに上がれない演歌歌手と同じで、仕事がなきゃ男優なんて廃業したのも同然だよ。監督もやったけど、オレには向かない。チョコは引退作のとき、どんなだった?

チョコ:発射後、小さな花束をもらっただけでした。20年近く男優をやって、最後はこんなもんかと少し寂しくなりましたね。だから鷹さんにだけは、派手に引退セレモニーをやってもらいたいです。

鷹:その前に、AV界への恩返しとして人材を育てないと。業界は原点回帰すべき。引退宣言は撤回し、もうひとがんばりするよ。

※週刊ポスト2011年10月28日号


Shogakukan Inc. 2013 All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。
powered by popIn