◇日本オープン選手権<第1日>
▽17日、茨城県つくばみらい市、茨城GC東C(7320ヤード、パー71)▽晴れ、気温18・9度、東北東の風1・9メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽108選手(うちアマ9人)▽観衆1586人
2週前のコカ・コーラ東海クラシックで約5年ぶりのツアー優勝を果たした片山晋呉(40)が6バーディー、1ボギーの5アンダー、66をマーク。甲斐慎太郎(32)、金亨成(キム・ヒョンソン)=韓国=とともにトップに立ち、3度目の日本一に向け好発進した。首位と2打差の3アンダー、4位タイに深堀圭一郎(45)=フォーラムエンジニアリング=ら7人がつけている。
最終18番パー5。グリーン右手前のバンカーからの第3打をピン右1・5メートルにつけ、これを沈めてバーディーフィニッシュした片山が、右手を握りしめてガッツポーズを繰り出した。
「危なげなかった。調子はいいし、不安要素はない」。その表情は自信に満ちていた。
前週は試合を休んでこの大会に備えた。とはいえ、練習ばかりではなく「祝勝会とかでアルコール漬けでした」と苦笑い。この日は、前日の雨の影響でグリーンが止まると読み「ティーショットでドライバーは(パー3を除く14ホール中)半分くらいしか使っていない。(球が)フェアウエーにあればストレスなく打てる」と、刻み作戦を敢行。功を奏した。
前夜はこれまでの優勝者を集めたチャンピオンズディナーが催された。2005、08年優勝の片山も出席。「青木さん、中嶋さんが1988年の東京GCでの話をしていたが、それを生の声で聞けるのは幸せ。若い選手は味わってないし、プロゴルファーにとって幸せの時間でした」。今週は歴代覇者の証しであるチャンピオンズブレザーを着用してコース入りしている。
過去77回の歴史の中で、2勝以上は自身を含めて16人。3勝以上となると宮本留吉(6勝)、尾崎将司(5勝)、中嶋常幸(4勝)、小野光一と中村寅吉(それぞれ3勝)の5人だけ。狙うはその仲間入りだ。
「そのためにやってます。技術的なことは何もない。あとは気持ちだけ。あと3日間、バタつくこともあると思うけれど、自分の経験で乗り切りたい」。キッパリと言った。 (櫛谷和夫)
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