★鈴木哲夫の核心リポート
小泉純一郎元首相が「脱原発」論をブチ上げたことが波紋を広げている。安倍晋三政権がアベノミクスや東京五輪招致などで高い支持を得るなか、存在感が示せなかった野党陣営に反撃のきっかけを与えそうなのだ。「脱原発=日本の産業を空洞化させ、経済を停滞させる」と指摘する識者も多いが、永田町では、小泉氏を旗頭とした「新党構想」まで流れ出した。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が衝撃の核心に迫った。
「驚いた。(脱原発への熱意が)みなぎっているというか、興奮して話が途切れないんだ」
野党幹部は先月中旬、都内での宴席で会った小泉氏についてこう語り、続けた。
「ちょうど、脱原発発言が新聞に出た直後だった。小泉さんの隣席が空いたのであいさつに行ったら、『おぉ〜、あなたも脱原発だよな。原発を止めるタイミングは今しかないんだよ』って」
小泉氏は8月に脱原発のドイツと、原発推進のフィンランドを視察したことを話し、「あれ(=原発ゼロ)しかないんだよ」と語ったという。
永田町が驚いた小泉氏の「脱原発」発言は、8月26日の毎日新聞に始まり、9月24日と10月1日の講演でも続いた。「原発ゼロと政治が決断するのはいま」と主張したのだ。これを、政界引退した元首相の「大所高所からの意見」と思ったら大間違いだ。