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数十棟が倒壊「経験ない激しい雨」
10月16日 19時12分

警視庁によりますと、東京の伊豆大島の大島町では、島の西部にある元町の神達地区で最も大きな被害が出ているということです。

大島町の被害の状況は

大島町は人口8000人余りの町で伊豆大島が1つのの町になっています。
農業や漁業、それに観光業が主な産業で東京からは100キロ余り離れた場所にあります。
警視庁によりますと、島の西部にある元町の神達地区で最も大きな被害が出ているということです。
この地区は、町役場からおよそ1キロほど離れた山沿いにあり、山の斜面に住宅が点在していますが、住宅数十棟が倒壊し5人が亡くなったほか多数の人と連絡が取れなくなっています。
また役場に近い元町地区の中心部を流れる大金沢の河口付近でも被害が出ています。
この地区は住宅や商店が建ち並ぶ町の中心部に当たり、2人が遺体で見つかったほか家屋に水が流れ込むなどの被害が出ています。
東京都によりますと、大島町での住宅被害は島の西側にある元町3丁目とその山側にある元町神達の2つの地区を中心に起きているということです。
いずれの地区でも近くを流れる川が氾濫し土砂が住宅地に流れこんだとみられるということです。
このうち元町3丁目は町の中心部で町役場から南に200メートルのところにあります。

上空から撮影した映像では

NHKのヘリコプターが撮影した映像から、被害の広がりが分かってきました。
土砂崩れの跡は山の山頂付近で始まり、町役場などがある町の中心部まで2キロ余り流れ下っています。
市街地から山頂につながる道路は広い範囲が土砂で埋まっていて、道路沿いの住宅は多くが流されたり、2階まで土砂に埋まったりしています。
土砂は町の中心部にも流れ込み、町役場近くの橋には、上流から流れてきた大量の倒木が引っかかり、流れをせき止める形になっていて、そこから周囲の市街地に真っ黒い土砂が流れ込んだ様子が分かります。

「流木と一緒に流され基礎しかない家も」

大島町で大きな被害が出ている元町地区に住む水野進さん(62)は「きのうの夕方から雨が強くなり、夜中にはバケツをひっくり返したような激しい雨が降った。三原山に登る途中にある元町の神達地区では山の中腹で10か所ほど土砂崩れが起きている。道路は流木で塞がれている。自宅に近い元町三丁目では10軒ほどの住宅が壊れていて、中には流木と一緒に流され、基礎部分しか残っていない家もあった。この地区に40年以上住んでいるがここまでの被害は経験がない」と話していました。

「経験ないような激しい雨」

大島町の元町地区で川の水があふれて大きな被害が出ている大金沢という川の近くに住む吉田英男さん(65)は、「自宅にいたところ、午前2時ごろ、今までに経験のないような激しい雨が降ってきて近くのバス会社の車庫に避難した。歩いて避難する途中、泥水が流れてきて危険を感じた。朝になって自宅を見ると、大きく壊れていたほか、周囲の住宅も流されたり、大きく壊れたりしている。道路も土砂や流れてきた木で埋まって車が通れるような状況ではない。三原山の山肌が見えるところだけでもかなり多くの場所で崩れており、島のあちこちで大きな被害が出ているのではないか」と話していました。

自宅の1階部分が流される

大金沢の近くに住む自営業の成瀬田鶴夫さん(54)は、2階建ての自宅の1階部分が土砂で押し流され、残った柱で2階部分が支えられている状態です。
成瀬さんによりますと、16日午前2時すぎ、1階の部屋でテレビを見ていたところ、「ゴオーッ」という音とともに大量の水や土砂が壁を突き破ってきたため、妻と一緒に腰まで水につかりながら2階に駆け上がったということです。
その後、すぐに停電したため、夜の間は自宅や周囲の状況が分かりませんでしたが、朝になって家の外に出たところ、自宅の1階部分が流され、周辺の家の多くが土砂で押し潰されていることが分かったということです。
成瀬さんは「夜は真っ暗ななか、ずっと家が揺れていて不気味でした。まさか自分の足元を土砂が流れていたかと思うと、とても怖いです。こんな経験は初めてで、水害を甘く見ていました。家にも住めなくなり、今後のことは今は考えられません」と話していました。

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