:2013/10/17 (木) 20:44
17日のロンドン市場は、ドル売りが強まった。米議会で暫定予算と債務上限引き上げ法案が可決したことで、デフォルトの危機は回避されている。これまで上昇してきた米債利回りが急速に低下しており、ドル安圧力となっている。米長期債の代表格である10年債利回りは2.61%台まで低下した。ストップ注文を巻き込みながらこれまでのドル買いの動きが反転している。一部には中国格付け会社が米国の格付けを引き下げたとの報道もあり、ドル売りに拍車をかけた面もあった。ドル円は東京タイムから上値が重くなっていたが、98.30レベルを割り込んだあたりから売りが加速、一時97.81レベルまで下値を広げた。ユーロドルは1.3570レベルを上回ると一気に1.36台に乗せた。その後も堅調で、1.3650近辺へと上昇している。ポンドドルは、9月英小売売上高が前月比+0.6%、前年比+2.2%と予想以上に伸びたことも買いを誘った。1.60台を回復すると1.61台手前まで高値を伸ばした。取引中盤からは豪ドル/ドルの上昇が目立った。0.96台に乗せると0.9620近辺まで上伸している。
市場では今後発表される米経済指標に関心が移ることになる。米量的緩和縮小の時期がどの程度後ずれするのか、米政府機関閉鎖の影響が懸念されるところ。ただ、緩和姿勢が長引くとの観測が株式市場にとってはリスク選好ムードを広げる面もあり、今後、ドル円はポジション調整が一巡する可能性もありそうだ。欧州株は序盤の下げを次第に戻す動きとなっている。