日本女子は、やはり世界女王に2度輝いた実績、そして引き出しの多さから考えても、浅田真央(中京大)の評価が一番高い。直近のジャパンオープンでは表現力などをみる演技構成点で高い評価を受けたように、スケーティングや全体の表現力は、ほかの選手にはない彼女の持ち味が出ていた。
■安定した滑りの浅田、技術面も進歩
滑りが安定してきているのが何より大きい。スケーティング技術はもともと非凡なものを持っている選手だが、滑りの基礎を見直した効果が完全に出てきている。プログラムは彼女の持っている独特なソフトなムードが醸し出されていたし、動きも滑らかだった。しかし、彼女の持っている能力からしたら7~8割の出来。もっと滑り込んでいったらシーズン終盤には一番いい状態になるのではないか。
技術面の進歩がはっきりと見てとれる。ジャンプは、跳ぶ前の構えや準備動作が非常に少なくなっている。以前はジャンプの種類によっては跳ぶ前に「はい、跳びますよ」というような動きが時々見られたが、それもなくなってきている。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も、今まではすぐに回転不足をとられていたが、今回は回転していると認定された。今後、心理面でもプラスに働いていくことだろう。
■ルッツジャンプは成功までもう一息
課題のルッツジャンプは今回もアウトサイドではなく、インサイドエッジで跳んだとして減点となったが、以前に比べたらはるかによくなっている。成功までもう一息といったところで、アウトサイドかどうかは紙一重に近かった。
スピードがもう少し欲しいなと思うけれど、一番よかったのはスピンの軸が最後までぶれなかったこと。たいていスピードが落ちてくると、軸がぶれて姿勢をキープできなくなる。それが最後までポジションをキープできた。そういう正確さ、技術的なコントロールがすごくよくなっている。
高橋大輔、織田信成、無良崇人、羽生結弦、小塚崇彦、浅田真央、町田樹、村上佳菜子、鈴木明子、宮原知子、今井遥
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