小塚崇彦(トヨタ自動車)は昨季は足の故障などに泣いたが、スケートを滑るシャープさは世界的にも高く評価されてきた。どうブランクを克服するかがカギだったが、ジャパンオープンでは持ち味は出ていたし、4回転ジャンプも回転の心配はいらないような感じだった。あとは試合勘だけだろう。
表現面も成長を感じさせる。昨季くらいから全身をつかって表現するような動きが出てきたし、技と技のつなぎの動きに変化が見られる。優等生タイプで、もうちょっとアクが欲しいなと思っていただけに、一皮むけた印象がある。
■織田に安定感、メンタル面も充実
織田信成(関大大学院)も左膝のケガからカムバックしてきた。膝と足首が柔軟で、もともとジャンプの失敗が少ないうえに、安定感が出てきた。技術的なこともそうだけど、結婚して子供もできてメンタル面でも充実しているように見える。表現面でも彼らしい持ち味を存分に出している。
日程 | 大会 | 出場日本選手 |
---|---|---|
10月18~20日 | スケートアメリカ | 高橋、小塚、町田、浅田、リード組 |
25~27日 | スケートカナダ | 羽生、織田、無良、鈴木 |
11月1~3日 | 中国杯 | 小塚、村上 |
8~10日 | NHK杯(東京) | 高橋、織田、無良、浅田、鈴木、宮原、高橋・木原組、リード組 |
15~17日 | フランス杯 | 羽生 |
22~24日 | ロシア杯 | 町田、村上、宮原、今井、高橋・木原組 |
12月5~8日 | GPファイナル(福岡) | GP6戦合計得点の上位6選手・組 |
高橋、羽生、小塚、織田は技術面で大差はなく、横一線の状態と言ってもいいだろう。その4人を追うのが無良崇人(岡山国際スケートリンク)だ。昨季はGPシリーズで初優勝し、世界選手権にも出場して経験を積んだ。パワーのある選手で、特にジャンプは高さがあって素晴らしいものがある。滑りに伸びがなかったけれど、この1年くらいでだいぶ改善された。同じようなミスをするのが気がかりだが、体の使い方に柔らかさが出てくればさらによくなるだろう。
■力ついてきた町田、表現力が武器に
無良と同じく昨季GPシリーズ初優勝を飾った町田樹(関大)は、「世界のトップ10」に入ったことがなく、5選手からはやや引き離されているように映る。滑りはどちらかというとパワーで動く感じで、もう少しシャープさが欲しいところ。それでも表現力はあるし、着実に力がついてきている。ソチ五輪はプログラム勝負でもあり、表現力は大きな武器になるはずだ。
高橋大輔、織田信成、無良崇人、羽生結弦、小塚崇彦、浅田真央、町田樹、村上佳菜子、鈴木明子、宮原知子、今井遥
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