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できごと
【尼崎連続変死】「共謀じゃなく服従関係」と無罪主張、ドラム缶遺体事件の3被告
兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件発覚の端緒となった大江和子さん=当時(66)=のドラム缶遺体事件で、大江さんへの傷害致死罪などに問われた長女、香愛(かえ)被告(45)ら3被告に対する初の裁判員裁判公判が25日、神戸地裁(細井正弘裁判長)で開かれ、3被告は罪状認否で「事実関係は間違いない」と述べた。その上で弁護側は、事件の中心とされる角田美代子元被告=自殺、当時(64)=の支配下に置かれ、心神喪失で責任能力がなかったとして無罪を主張した。
ほかの2人は大江さんの次女、裕美(ゆみ)(42)▽次女の元夫、川村博之(43)-の両被告。一連の事件で裁判員裁判は初めて。10月21日まで計12回公判があり、同31日に判決が言い渡される。
起訴状によると、元被告と共謀し、23年7~9月、大江さんの飲み水や食事の量を制限、頭を殴るなどの虐待で衰弱死させたとされる。大江さんの遺体は同年11月、尼崎市の貸倉庫でドラム缶にコンクリート詰めされた状態で見つかった。
検察側は冒頭陳述で「首謀者である元被告の影響は受けていたが、責任能力はあった。元被告の怒りの矛先が自分たちに向かないように大江さんを暴行した」と指摘した。一方、弁護側は冒頭陳述で「元被告から心身を痛めつけられ、服従関係だった。逆らえない状態で犯行に及んだ」と主張した。
地裁は昨年、弁護側の要請で3被告の精神鑑定を実施。関係者によると、元被告による洗脳状態にあり、善悪を判断できなかったとの結果が出た。
大江さん事件では、元被告の義理のいとこ、李正則被告(39)が昨年9月、死体遺棄罪などで懲役2年6月の実刑確定を受けた。3被告も同2月、死体遺棄罪の初公判が開かれたが、いずれも認否を留保。その後、傷害致死罪でも起訴され、今回まとめて裁判員裁判の審理となった。元被告も起訴されたが、自殺後に公訴棄却となった。
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