オーナーにGM制提案
球団史上初となるGM創設は、落合氏の助言が大きかった。
シーズン終盤、白井文吾オーナー(中日新聞社会長)は落合氏に次期監督の相談を持ち掛けていた。候補として谷繁の名前を挙げたところ、落合氏は「素晴らしい人物」と推薦した上で、最多の通算試合出場記録がかかる谷繁が現役続行を望んでいることを知り「私が支援する」と申し出た。
その言葉を受けた白井オーナーは当初「球団の相談役に」と提案。逆に、落合氏からGM制度の説明を受け就任を要請した。
米大リーグでは、GMの手腕で低予算でも好成績を残す球団がある。白井オーナーは「経費を少なくして『これは』と思う選手を取ってくる。GMの役割は大事」。金ではなく知恵を使ったペナント奪取を理想とする。
落合氏を「経験豊富」と高く評価する一方、「谷繁の色を出してほしい。そうしないとお客さんがこない」とも。日本では成功例の少ないGM制度。「優勝請負人」と白井オーナーが託した2人の歯車がかみ合えば、過渡期を迎えるチームを再び強いドラゴンズにできる。(杉山直之)
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記者会見であいさつする佐々木崇夫中日ドラゴンズ新球団社長。左は坂井克彦社長=名古屋市内で |
負の連鎖に荒療治
坂井球団社長は退任理由として、2年半前の就任時に掲げた「強いチームをつくる」「ファンを大切にしナゴヤドームをいっぱいにする」「営業基盤を強くする」の三つの目標が、達成できなかったことを挙げた。
今季、チームは12年ぶりにBクラス転落。主催試合の観客動員が200万人を割ったことで、大幅な減収を強いられた。「抜本的な対策が必要」と白井オーナーが話していた通り、球団トップの交代は、この負の連鎖を断ち切るための荒療治と言っていい。
中日新聞社で主に販売部門を歩んできた佐々木新球団社長は「長年の私自身の営業経験にのっとり、何としてもドームをいっぱいにできるように、いろいろな策を打っていきたい」と自らの役目を強調した。
チーム強化のため監督を代え、落合GMを起用。主力の高齢化と若手の伸び悩みに直面する現場に刺激を与えることで、早急な立て直しを図る。狙うのはフロント、首脳陣、現場の三位一体の改革。そのすべてを刷新する大胆な動きは、球団の抱える危機感の表れとも受け取れる。(高橋隆太郎)
GMの手腕に期待
佐々木新社長が3季ぶりにGMとして中日へ戻る落合氏に「選手時代に華々しく活躍し、監督でも8年間Aクラスを堅持した。野球理論、経験において、勝る人はほかにいない」と期待した。GMの権限や役割については今後、詳細を決める。
谷繁新監督について「長年にわたって野球全般、ドラゴンズの内情に精通している。現段階で後任監督に一番適任」と説明。13日には秋季練習がナゴヤ球場で始まるが、コーチ陣容は「詰め切れていない。急いでやりたい」と話した。