就任会見一問一答
−GM就任の率直な気持ちは
落合GM「何をしていいのか。どういう方向で物事を進めていくのか経験はありませんからね。35年間この世界で生きてきたけど、この仕事は初めて。いろんな人の知恵を借りながら、いいものはいい、悪いものは悪いと方向性を間違えないように進めていきたい」
−GM制度は誰の発案だったのか
「新聞紙上でも出ていましたが、どうやっても私らは契約社会で生きてきた。サラリーマンになるわけにはいかない。自分の会社も30年以上続けて切り盛りしている。個人的にどうこう動けるかとなると、身動きとれない。お互いに何かいい知恵はないのかということで、オーナーと話をしながら最悪こういうことしかないんじゃないのかなと投げかけて、じゃあ相談してきますと。内輪話はそういうこと。オーナーはもう1回、何とかせえよという発想です」
−監督という要請は
「それはありません。ハナからその話がきたとしても受けていない」
落としどころ
−白井オーナーと落合さんの2人でGMという形に
「落としどころがそれしかなかった。谷繁をバックアップできる人間がいる。誰がいるんだと考えたら、相当の覚悟、ある程度のやる気と知識があって防波堤になれる人間は野球界にそういない」
−谷繁を兼任監督にというのは落合さんの提案だったのか
「監督をもっていったら受けていない。現役のときから8年間彼と接している。第一の個人的な目標は、何とか見えてきた野村さんの数字を抜きたい。それが現役選手・谷繁を動かしてきた原動力。それを捨ててまで監督というのは受けていないと思っています」
−チームはBクラスに転落した
「やっているときにどうやったら強くなるのかな、ということを考えて出したひとつの結論が、練習をしないと選手はうまくならない、体力がつかない。この基本線がこの2年間はあったのかどうか。谷繁監督がこれからその辺をどうやって自分たちで考えるのか。そこは新監督の手腕にかかっている」
兼任は面白い
−采配をふるいながら選手というのは負担になるのでは
「逆に面白いんじゃないですか。この野球界でそれを経験した人はそうはいない。やりがいがあると思う」
−どんなチームを
「優勝するチームをつくらないとやる意味がない。勝負ごとってそういうことです」
−就任1年目から
「それをしなかったら、野球選手が野球をやっちゃいけない。優勝したいと思ってやるわけですから。また強いドラゴンズをつくってお客さんがナゴヤドームに見に来てくれるような、現場を含めて全部がそういう思いを込めて野球をやらないと1回離れたお客さんは戻ってきてくれない。その第一歩として優勝する。強いチームをつくり上げるのが一番の早道」
指導者の器
−谷繁はいい指導者になると話していたが
「新監督のことを言えば、10年前にドラゴンズに来たときにまだまだ伸びしろがある選手だなと思いながら、こいつを鍛え上げないとチームはうまく機能しないだろう。このクラスになると誰も何も言わないだろうという中での出発。退団会見のときにいいましたが、8年間で一番成長したのは谷繁じゃないのかなと。将来的に監督にしたらいい指導者になるだろうなと。それが現実になった。やれるだけの器であり、人間性であると考えればいいんじゃないかな」
−指導者の資質は
「これはやってみないと分かりません。やらせてみて結果が出て後々周りの人が評価する。オレのときも言われたけどコーチ経験のない人間が初めて監督なんてできるはずがない。それ以上に難しいポジションから監督として始める。それは周りがどうやってサポートするかが必要。何よりも一番ワクワクしながら不安を抱えて船出するのは新監督じゃないかな」
−人間の器を買っているというのは
「一番は野球というのはみんな背を向けてやるんだけど、一人だけ全員を見ながら野球をやれるのは捕手だけ。われわれの知らないことを経験して学んできているはず。それをチームにどう生かすかを考えればいい。自分のやりたい野球をやればいい。それが成功の近道」