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練習前、選手にあいさつする谷繁監督(中)。(右端から)落合GM、佐々木新球団社長=ナゴヤ球場で(浅井慶撮影) |
新体制が本格スタート
中日・谷繁元信選手兼任監督(42)が15日、ナゴヤ球場の秋季練習に参加し、本格始動した。谷繁新体制のスタートに落合博満GM(59)、来季から参謀役となる森繁和ヘッドコーチ(58)もスーツ姿で参加。谷繁新監督は竜戦士を前に常勝軍団復活を宣言するとともに、宮崎のフェニックス・リーグの緊急視察も明言。また落合GMは、FA権を取得している森野将彦内野手(35)と残留交渉に臨んだ。
早くも効果を実感
背番号「27」の真新しいユニホームに身を包んだ新指揮官が、竜戦士が待つ輪にゆっくり歩を進める。霧雨が舞う中、直立不動での所信表明。その口から出たのは、常勝軍団復活宣言だ。
「今年2000本打ったときにも言いましたが、ボクはドラゴンズが弱いとは思っていない。頭で考えて、練習して、グラウンドで結果を出す。強いドラゴンズを取り戻しましょう。裏方の皆さんも、よろしくお願いします。元気よくいきましょう」
12球団最年少監督の言葉にじっくり耳を傾けた竜戦士にも、緊張感が走った。選手会長の吉見は「こういう締まる空気は久しぶりだった。この2年間はなかった」と早くも谷繁効果を実感。本格的な練習開始は11月1日からの秋季キャンプからとなるが、戦う集団への変貌を予感させるには、十分な谷繁新体制のスタートとなった。
「特別視はしない」
竜戦士の前であいさつを終えた谷繁監督は、すぐさま昇竜館に場所を移して落合GM、森ヘッドと3者会談。組閣や秋季キャンプのスケジュールを煮詰めるとともに、即決したのが宮崎フェニックス・リーグの緊急視察だった。
「まず最初は今、若い連中がやってる宮崎に1試合か2試合、見に行きたい。どんな顔を、どんな目をしてやっているのか。特別視はしないで全体を見る」
来季、覇権争いを演じるためにも現有戦力のレベルアップは不可欠。そのため、谷繁監督が自ら宮崎に足を運び、19日の韓国LG戦、20日のロッテ戦を視察する。もちろん、谷繁監督がフェニックス・リーグ視察する効果は絶大。レギュラー奪取をもくろむ若竜にとっては、願ってもないアピールの場となるからだ。
一生懸命…純粋に
この日はスーツ姿ではなく、一選手としての肩書も持つだけに、ユニホーム姿でグラウンドに登場した指揮官。最後に語気を強めて言い放った。
「自分も一緒に汗をかいて頑張りたい。汗をかくのに、スーツではダメでしょう。ボクが来て12年目で初のBクラス。もう一度、強いドラゴンズにしたい。そして誰がやっても、一生懸命、純粋に取り組むのが野球選手だと思う」
緊張感漂う中での谷繁新体制の船出。指揮官が自らの色を存分に出しつつ、常勝軍団を再構築していく。 (伊藤哲也)