◇W杯予選 イングランド2−0ポーランド
【ロンドン原田公樹】2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会予選は15日、各地で最終戦を行い、欧州では前回覇者のスペイン、イングランド、ロシア、ボスニア・ヘルツェゴビナが新たに本大会出場を決めた。南米ではチリが2大会連続9度目、エクアドルが2大会ぶり3度目の出場を決め、5位のウルグアイはアジアのヨルダンとの大陸間プレーオフに回った。北中米カリブ海のホンジュラスもW杯切符を手にした。
欧州予選H組のイングランドはポーランドを2−0で下し、5大会連続14度目の出場、I組のスペインは2−0でグルジアを破り、10大会連続14度目の出場となった。G組のボスニア・ヘルツェゴビナは敵地でリトアニアを1−0で下し、勝ち点25で並んだギリシャを得失点差で上回って初出場を決めた。
欧州予選の各組2位のうち、デンマークを除く上位8チームのクロアチア、スウェーデン、ルーマニア、アイスランド、ポルトガル、ギリシャ、ウクライナ、フランスが残り4枠を争うプレーオフへ進出。ホームアンドアウェー方式で11月15日に第1戦、19日に第2戦を行う。
ジェラードが強引にポーランドのDF陣を引き連れながらゴール前へ突進した。1−0で迎えた後半43分、倒れ込みながら強引に右足でチップシュート。ボールは聖地ウェンブリー競技場のネットに吸い込まれた。2点差でW杯出場がほぼ確実となり、祈るように戦況を眺めていた観客8万5186人の大多数が歓喜に沸いた。
前半41分に左クロスをFWルーニーが頭で先制。その後もほぼボールを支配し続けたが追加点がなかなか奪えなかった。同組のウクライナが勝っていたため、引き分ければ2位となり、プレーオフ行きとなっていた。
ジェラードは「代表デビュー以来、僕たちはずっと批判にさらされてきた。でもそれで強くなれた。この勝利はファンのものだ。ブラジルへの飛行機の予約が可能になったね」と茶目っ気たっぷりに答えた。
カペッロ前監督辞任で昨年5月からチームを指揮するホジソン監督は「この先、もっと大きなプレッシャーを背負う。だがチームはそのプレッシャーを受け入れ、もっと成長する」と本番での成功を誓った。本大会出場危機と言われ、大きな批判にさらされたが、終わってみれば混戦のH組を無敗で突破。イングランドが底力を見せた。
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