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【大リーグ】

レッドソックス、2勝目(1敗) 田沢、上原ら4投手で完封リレー

2013年10月17日 紙面から

◇ALCS第3戦(15日・デトロイト)レッドソックス1−0タイガース

 【デトロイト穐村賢】ア・リーグの優勝決定シリーズ(LCS)第3戦が15日(日本時間16日)、当地で行われ、レッドソックスは1−0でタイガースを破り、シリーズ通算成績を2勝1敗とした。7回にマイク・ナポリ一塁手(31)が放ったソロ本塁打による1点を、先発ジョン・ラッキー(34)、守護神の上原浩治(38)ら4投手の完封リレーで決勝点に仕立て上げた。ナ・リーグはロサンゼルスでLCS第4戦を行い、カージナルスが4−2でドジャースに勝ってシリーズ3勝目(1敗)。ワールドシリーズ(WS)進出に王手をかけた。16日(同17日)はアLCS第4戦、ナ同第5戦がそれぞれ行われる。

 最後の打者アビラのバットに空を切らせると、上原はマウンド上で跳びはね、雄たけびを上げながら胸の前で右拳を握りしめた。

 まずは女房役のサルタラマッキア捕手とハイタッチ。レンジャーズ時代も同僚だった殊勲のナポリとはともに跳び上がって“よりハイタッチ”。上原は試合直後、「勝ったんでそれが一番うれしい。しびれた試合をものにできたのは大きい」と声を弾ませた。

 この日も8回途中からの回をまたいでの登板。しかも2死一、三塁と一打同点の場面。打席には4番フィルダー。だが「いつでも行けるようにっていうのは常に考えていること」と数多くの修羅場をくぐってきたベテラン右腕は動じない。

 「遊び球なんか投げずにどんどん行こうと。それしか考えていなかった。もう『行ったれ』っていう気持ち」と度胸も一級品。89マイル(約143キロ)の真っすぐ2球で追い込むと、最後は81マイル(約131キロ)のフォークボール。チェンジアップ効果も抜群の宝刀を待ち切れないかのように、主砲のバットがクルリと回った。9回無死一塁も併殺でしのぎ、後は大団円を迎えるだけだった。

 上原のために“地ならし”をしたのが田沢純一投手(27)だった。8回1死一、三塁で昨季の三冠王カブレラを打席に迎えたが「打たれたら打たれたでしょうがない。低めに落ち着いて投げれば大丈夫と自分に言い聞かせた」と開き直った。4球全て94〜95マイル(152キロ前後)の外角直球という攻めの投球で空振り三振に打ち取ると、思わず「ヨッシャー」と声が出た。

 「全部真っすぐというサインには驚いたけど、捕手を信じて投げた。自分でも大胆だったなと思います」と田沢。ラッキーから救援左腕ブレスローを経由し、自分に手渡された完封バトンをけがすことなく上原に渡し、その顔には充実感が漂う。上原も「タズ(田沢)がカブレラを抑えてくれたのが大きかった」とたたえた大仕事だった。

 上原は今ポストシーズン(PS)は7戦で6戦登板。レギュラーシーズンと合わせれば登板79試合となり、疲労はピーク。

 「休みたいっていう気持ちも、もちろんある」と本音も漏れるが、10月に試合ができ、責任ある役割を任されている充実感が疲れを駆逐する。同一年のPSで3セーブは、日本人では2000年の佐々木主浩(マリナーズ)に並ぶ最多タイ記録と“勲章”も得た。

 「まあ、どう頑張ったって、残り10試合ちょっとなんで、いまさら(疲れたとか)ごちゃごちゃ言ったってしょうがない」と上原。代名詞の“雑草魂”で、体にむち打ってでも悲願の世界一まで駆け抜ける。

 

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