西川和久の不定期コラム
ドスパラ「Arumas T-11」
〜10点タッチ対応で約1kgの11.6型Ultrabook
(2013/4/15 00:00)
ドスパラは3月28日、10点タッチ対応の11.6型Ultrabook「Arumas T-11」を発売開始した。プロセッサにCore i5、ストレージはSSD、そして軽くて強度のあるカーボン素材を筐体に採用するなど、要所要所ポイントを押さえたモデルだ。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けする。
10点タッチ対応のUltrabook
現在、同社のサイトでUltrabookのラインナップを見ると、オーソドックスな14型HD解像度の「Altair F-11」、GeForce GT 640Mを搭載した14型HD+解像度「GALLERIA U2442V」、GeForce GT 650Mを搭載した14型HD+解像度「GALLERIA U2442F2」など、14型のUltrabookが中心のラインナップで構成されている。
今回、新たに11.6型タイプとして「Arumas T-11」と「Erdes Book ST1」が追加された。前者はスタンダードなUltrabook、後者はタブレットにもなる変形ノートPCだ。実は両機種手元に届いているが、まずスタンダードな「Arumas T-11」をご紹介したい。主な仕様は以下の通り。
【表】ドスパラ「Arumas T-11」の仕様 | |
---|---|
プロセッサ | Core i5-3337U(2コア/4スレッド、
1.8GHz/Turbo Boost:2.9GHz、 キャッシュ3MB、TDP 17W) |
メモリ | 4GB(スロット1/空き0) |
チップセット | Intel HM77 Express |
SSD | 128GB |
OS | Windows 8(64bit) |
ディスプレイ | 11.6型液晶ディスプレイ(光沢)、
1,366×768ドット、 10点タッチ対応、 Mini DisplayPort |
グラフィックス | プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4000 |
ネットワーク | IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0 |
その他 | USB 3.0×1、USB 2.0×1、
HD Webカメラ、microSDカードリーダ、 音声入出力 |
サイズ/重量 | 298×194×3〜16.5mm(幅×奥行き×高さ)/約1.04kg |
バッテリ駆動時間 | 最大約5.5時間 |
価格 | 109,980円(標準構成時) |
プロセッサはCore i5-3337U。2コア4スレッドでクロックは1.8GHz。Turbo Boost時に2.9GHzまで上昇する。キャッシュは3MB、TDPは17W。チップセットはIntel HM77 Express。メモリは4GB。ストレージは128GBのSSDを搭載。OSは64bit版Windows 8だ。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4000。外部出力としてMini DisplayPortを装備する。ディスプレイは、10点タッチ対応で光沢タイプの11.6型。解像度は1,366×768ドットとなる。これまで試用したこのクラスは5点タッチが多かったので、(実用性はともかく)ポイントが高い。
その他のインターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0、USB 3.0×1、USB 2.0×1、HD Webカメラ、マルチカードリーダ、音声入出力。Ultrabookでありがちな、薄さを優先するためコネクタが特殊になっているようなこともなく、全てのコネクタは標準サイズになっている。ただ唯一Gigabit Ethernetが無いのは残念なところか。
サイズは298×194×3〜16.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.04kg。バッテリ駆動時間は最大5.5時間。価格は標準構成で109,980円となる。
カスタマイズは、プロセッサ、メモリ、ストレージなど主要コンポーネントは変更できず、Windows 8 ProやOfficeなどのソフトウェア面、および周辺機などの追加/変更のみとなる。できればメモリ8GBのオプション程度は欲しかったところだ。
久々に1kgタイプのUltrabookを触ったが、やはり軽い印象だ。普段持ち運ぶならこの程度がベストだろう。ルックスも「The Ultrabook!」と言った感じだ。軽くて強度のあるカーボン素材で覆われた筐体は、裏まで含めてツヤなしブラック。ロゴやマークなども無く、非常にシンプルでカッコいい。触った感じもマットな雰囲気で手に馴染む。
左側面には電源入力、USB 3.0×1、Mini DisplayPort。右側面にはUSB 2.0×1、音声入出力、microSDカードリーダ。USBポートはどちらも奥側にあるので、何を付けるにしても邪魔になることはない。欲を言えば標準サイズのSDカードリーダを搭載してもらいたかったところだ。
裏側は1枚の大きいパネルで覆われ、メモリやストレージにアクセスできる小さいパネルはない。ただネジで止まっているだけなので、全て外せば何とかなりそうだが、今回は行なわなかった。
ACアダプタのサイズは約67×66×30mm(同)、重量181g。AC側のコネクタが一体化し、小型なので、本体と一緒に持つ運ぶことも想定されているのだろう。
10点タッチ対応の液晶パネルは、IPS型でないため視野角はあまり広くなく、また最大輝度も少し低めだ。とは言え、通常使用においては特に問題にならないレベルだろう。発色やコントラストはクラス相応な印象だ。
キーボードはアイソレーションタイプだ。強く押すと若干たわむが許容範囲。キートップの並びもうまくまとめられており、妙なキーピッチになっている部分もなく入力しやすい。
パームレストは11.6型と言うこともあり然程広くないものの問題なし。タッチパッドはかなり滑りが良く好印象だ。物理的なボタンは無く、パネルが左右に傾くタイプとなっている。
熱や振動、ノイズに関しては試用した範囲では気にならないレベルに収まっている。サウンドは最大出力が若干低いものの、まずまずの音質だ。
Core i5-3337U搭載機としては平均的なパフォーマンス
OSは64bit版Windows 8。起動時のスタート画面は、最後4つだけWindows 8標準に加えられている。ただし4つ共デスクトップアプリケーションだ。デスクトップは何も追加されることなく素のまま。
SSDはデバイスマネージャからは型番が分からなかったが、C:ドライブのみの1パーティションで約119GB割当てられている。初期起動時の空きは100GB。
プリインストール済みのソフトウェアは、Windowsストアアプリは無し。1本もないのも結構珍しいと言えるだろう。デスクトップアプリケーションは、In-OSD、Intel系ツールと、ベーシックなものだけで、こちらもほぼ素の状態だ。「PCを購入したらまず不要なプリインストールソフトウェアを削除することから始める」という玄人には受けが良さそうだ。
ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックス、PCMark 7とBBenchの結果を見たい。参考までにCrystalMarkの結果も掲載した(今回の条件的には特に問題は無い)。
Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 5.4。プロセッサ 6.9、メモリ 5.9、グラフィックス 5.4、ゲーム用グラフィックス 6.4、プライマリハードディスク 7.8。PCMark 7は4571 PCMarks。CrystalMarkは、ALU 39908、FPU 37790、MEM 38401、HDD 42746、GDI 14483、D2D 1907、OGL 5827。Core i5-3337UとSSDを搭載したUltrabookとしては平均的な値だ。ストレージがSSDと言うこともあり、起動や復帰も速く、快適に操作できる。
BBenchはバランス、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で19,118秒/5.3時間。仕様上最大5.5時間なので、ほぼスペック通りとなった。1日中バッテリ駆動でとは行かないが、ちょっとした時に処理してまたスリープ的な使い方だと結構持ちそうな感じだ。
以上にようにドスパラ「Arumas T-11」は、10点タッチ対応の11.6型Ultrabookだ。プロセッサにCore i5、ストレージはSSD、そして質感の良いカーボン素材を筐体に採用するなど、うまくポイントを押さえ、特に気になる部分も見つからない。
Core i5-3337U搭載機としては平均的なパフォーマンスであるものの、重量1kg、そしてUltrabookに準拠した薄さでありながらタッチ対応というのはポイントが高い。可搬性が高く操作性にも優れたノートを探しているユーザーの候補になりえる1台と言えよう。
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