重大な災害の危険性が著しく高まっているときに発表される「特別警報」。伊豆大島で局地的に観測された雨量は、発表の水準となる「50年に1度」を上回るものだった。だが、特別警報は出されなかった。
トピックス「特別警報」特集「台風26号」伊豆大島では午前4時前までの1時間に122・5ミリ、16日午前8時20分までの24時間雨量は824ミリと、観測史上1位の降水量となった。
気象庁が伊豆大島に大雨警報を出したのは15日午後5時38分。当時、1時間雨量は30ミリに満たなかった。海面水温が26〜27度と高い海域を通ってきた台風は勢力が衰えないまま接近。伊豆諸島では、特に水蒸気を多く含む中心付近が通過したため、湿った空気が大量に入り込み、前日から停滞していた前線を刺激した。16日未明から急に雨脚が強まった。
伊豆大島にある気象庁の観測場所は9カ所。一方、同庁が特別警報を発表する目安は、48時間雨量で50年に1度の水準になる地点が50カ所以上、3時間雨量では10カ所以上あることだ。