真・恋姫無双~転生司馬慰伝 (如月ライト)
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第五章 洛陽帰還、そして荊州入り

曹操の魔の手から逃れた俺たちは洛陽に戻ってきた
「健太様、洛陽には何の用で来たのでしょうか?」
聞いてきた凪に
「あぁ、俺の預けてある軍を取りに来たのさ」
「え、健太様軍持ってたん?」
と言う真桜に
「当たり前やろ、軍を作り始めたんはウチらが九歳の時からやで?」
「「「「「九歳!」」」」」
一緒に軍を作っていた健太と桂花以外は驚いていた
「うるさいわね、健太様が太守を目指し始めたのが七歳よ、なら自分の軍を作り始めているのは当たり前じゃない、それに七歳の頃から商売の方もしてるのよ?」
と言った桂花に
「えぇぇぇ~!」
「驚きすぎだろ」
と呆れながら言う健太に
「いくらなんでもさすがに驚きますよ!」
「せやせや、てかどんだけ頭良かったんや健太様!」
「もしかしてとは思ったけどファッション誌阿蘇阿蘇の社長って健太様だったの~!」
「はやや!さすがに凄すぎてなにがなんだか」
「凄いです健太様!」
「まぁ筋書きは俺が書いたが軍の方は霧と司馬昭が、商売の方は桂花と司馬師がやってくれたから
出来たことで俺だけなら絶対出来なかっただろうさ、だから四人には心から感謝している」
「いや、そない言われると恥ずかしいわ!!!」
「健太様の為ならいくらでもやります!!!」
「あはは、さてと、そろそろ司馬家に行きますか」
「「「はい!」」」
そうして一同は司馬家に向かった、
司馬家の中にはいるとすぐに司馬師の元に行き軍を荊州まで出立出来るだけの食料と武具を用意させ、
鍛錬中の司馬昭の元に行き出立の準備をさせた
もちろん頭を下げ感謝していると言った、二人は戸惑っていたが素直に感謝を受け取った
そして
「あら、健太じゃない♪元気にしてた♪」
「・・・まぁどうでもいいのですがもう少し親として心配した方が私の好感度が上がっていましたよ」
「あら、私は心配していたわよ?」
健太は眉間にシワを寄せ
「~ならせめて「久しぶり~♪」みたいな軽いノリで言うのをやめて下さい」
「相変わらずあなたは細かいわね~」
「これが普通ですよ」
「で、荊州に出立は何時なの?」
「明日には整うので明日できたらすぐに」
「そっか・・・」
と悲しそうな顔で言う母
「・・・もしよければ(待って!)!」
「健太、今から言うことは誰にも話さないでね」
珍しい母の真剣な顔に
「!はい」
と真面目に答えた
「私ね、病気なんだ」
「え、」
「それでね、華陀って言う医者に診てもらったんだけど、後半年の命みたいなの」
華陀だと!華陀といえば後世神医と呼ばれるほどの名医だ、しかし
「・・・それは、本当に華陀だったのですか?」
聞かずにはいられなかった、例え本当に華陀だとしても
「私が嘘を見抜けないと思う?」
「でも!もしそれが本当なら母上は!」
「黙りなさい!」
取り乱した私を母が諫めた
「いい健太、生きているもの全てにはね天命というものが等しく存在するの、そしてそれは誰にも変えられない、でもだからこそ生きているものは精一杯自分の生きた証を残そうとするの、私には貴方や師、昭が私の生きた証ね」
そういって母は笑った
「~それで母上はどうするのですか?」
「そうね私は洛陽で最後を迎えるわ、師と昭には悪いけど最後の最後になるまで言わないわ」
「そう、ですか」
おそらく俺は今泣きそうになっているだろう
「健太明日城に行きなさい」
「え?」
「劉表の後継者として正式に決まったわ」
「!」
「貴方のやり方でもなれたと思うけど正式なものになるには時間がかかったはず」
「これが最後の私の生きた証よ、そして母として貴方に出来る最後のこと」
気が付いたら俺は泣いていた
翌日、俺は城に行き正式に荊州の太守となった
そして昭に預けていた兵三万と将を引き連れ荊州へと向かった
「なんかあったんか?健太?」
「ん?なにかってなんだ?」
「いや、知らんけども今のアンタなんか疲れとるみたいやったから」
心配そうに言う霧
「心配してくれてるのか?」
「!!!あ、あたりまえやろ!!!」
「そうか、ありがとうな」
霧の頭を撫でる
「!!!」
顔を真っ赤にさせる霧しかし、健太の顔を見て表情が変わった
霧サイド
(なんや、まるで大切な誰かが死んだ時のような顔をしとる)
司馬慰サイド
人が多く死んでいるこの時代、当然親しい者の死ぬことの方が多い時代で健太は知らなかった
親しい者の死を、そして怖くなった、親しくなればなるほど親しい者を失うことが
霧サイド
辛そうな顔をしている健太をウチは見たくない、でも理由は話したくないということもわかっとるだから
「なぁ健太、何があったのかは聞かん、でも安心しときウチは健太が生きとる内は絶対死なん」
司馬慰サイド
ッどうやら霧にはバレていたみたいだ
「・・・ありがとう」
そう言い俺は馬を進ませた

荊州の道中
桂花サイド
私の最愛の人は今何かに苦しんでいる、私にはわかるしばらくして霧が何かを健太様に言った、
その言葉は何かは分からないでも間違いなくその言葉に私の最愛の人健太様は救われたようだ
・・・好きな人が救われたのに私は嬉しくなかった、どうして私では力になれないのか
私は好きな人に頼って欲しい、辛いって言って欲しい、愛してるって言って欲しい
今の私は霧に嫉妬しているのだろう、醜いのはわかっているでも止められない
胸が苦しい、健太様を想うほどにあの時の顔を思い出して辛い、私はどうしたら・・・
司馬慰サイド
ん?あそこにいるのは桂花?
何か考えごとか?その割には辛そうだな、相談に乗ってやるか
そうして後ろから抱きついて
「桂花どうかしたか?」
「ひゃぅ!!!け、け、け、健太様!!!」
「あはは、驚いたか?」
「も、もう!」
「あはは、でさ何か悩みごと?」
真剣な顔をして聞く
「・・・はい」
「何に悩んでたんだい?」
そう聞くと意外な答えが返ってきた
「健太様、私は貴方のことが好きです」
お、落ち着け俺!今何が起きている?桂花の相談に乗った=自分に告白するのに悩んでいた
うん、やばい嬉しいけど俺は今誰とも付き合う気は無いし、恐らく霧・亜沙・明命も俺のことを慕っている
(他の子も慕っているが分かりづらいので気づいていない)
しかし、桂花が俺のことを好きなのは知ってたが何故いきなり?
そんなことを考えていると
「あの・・・やっぱり迷惑ですよね・・・」
今にも泣きそうな桂花
「いや、桂花が俺のことを慕ってくれてたのは知ってたから言ってくれたこと自体は嬉しいのだけどさ、
いきなり言うなんて何かあったのかな、てさ」
するといきなり桂花は体に抱きつき顔が見えないようにして
「最近健太様、顔色が悪かったんです」
「!」
気づいてたのか
「でも、霧が何かを言った後から顔色が良くなってました」
それは、
「私にはなにもできなかったのに霧は出来ました」
嫉妬だった
「私は、好きな人のために何も出来ない」
そして、
「なのに霧には出来た」
俺が傷つけた心の声だった
「それが悔しくて、辛かった」
俺は桂花の体を抱きしめた
「もういいよ桂花、ごめんな、気づいてやれなくて」
「いえ、それよりも返事を、貰えませんか」
そう桂花は言った
「桂花、俺には他にも慕っている者がいることは知っているだろう?」
そう言うと桂花は首を振った
「俺はその子たちのことも好きなんだ、
桂花と同じでね、そんな俺でもいいなら桂花に俺のモノになって欲しい」
少しの沈黙、これは嫌われたかなそう思っていると
「はい」
・・・え?
「なります、私の全てを健太様に捧げます」
「いいのかい?」
「健太様は私のことも好きなんですよね」
「あぁ、好きだよ」
これは事実だ
「ならなります、その代わり口付けをして下さい」
そういうと桂花はこちらを向き、近づいてきた
「桂花、好きだよ」
そうして口付けをした
翌朝
「さぁて、早く荊州にいかんとな」
「はい、健太様!」
「なんや?桂花、奴機嫌よーなっとるけどなんかあったんか?」
「ふふふ、別に何もないわよ♪」
「いくらなんでもそないな分かりやすい嘘はあかんわ」
「ふふふ、それでも内緒よ♪」
「えー桂花のいけず~!」
さて、やって参りました荊州に!
俺たちが門を通ろうとすると三人の女性が立っていた
「初めまして、私は黄忠、真名は紫苑と申します」
「ワシは厳顔、真名は桔梗と申す、よろしく頼むぞ、新たなお舘さまよ」
「・・・私は儀延だ、真名は焔耶だ」
三人の紹介を受けたのだが
「私の名は司馬慰、真名は健太だ、早速で悪いが聞きたいことがある、
今新たなお舘様と言ったがもしや劉表殿は?」
そう聞くと紫苑は
「はい、少し前に江東の虎と名高い孫堅が侵攻してきた時に倒れられ、そのまま衰弱死しました」
「ん?劉表が倒れ、孫堅に侵攻されたのならば何故荊州は無事なのだ?」
疑問に思う健太に桔梗が答えた
「実はの、前のお舘様のバカ息子が孫堅を毒矢で暗殺したんじゃよ」
「おいおい、あの英傑に毒矢とか頭おかしいんじないか?恨まれて殺されんぞ」
「いや、それを恐れて前のお舘様にその罪を擦り付けたんじゃ」
「おいおい、恨まれるの俺嫌だよ?」
と肩を落とす健太、そこに
「気に入らない」
と焔耶が言った
「私はお前をお館だと認めない!戦え、健太!」
と言い武器を取り出した焔耶
いきなりだな、と健太は思いながら武器を取り出す、孫堅の事は後で聞くかな
どうも突然気に入らないと言われ、戦うことになった健太です
「なにが気に入らないんですか?」
「さっきのお前の態度だ、恨まれるのが怖い?戦なら恨まれるのは当たり前だ、
それを怖がってたら戦えないそしてそんな奴が大将になって無駄に命を落とすのは私は御免だ」
紫苑と桔梗は黙って聞いていた、おそらく焔耶の言葉に共感したのだろう、なら
「つまり、君と勝負して勝てば認めてくれるんですね?」
「あぁそうだ!」
即答したな
「健太、ウチがやったろか?」
と嬉しそうに言う霧、お前は相変わらずの戦い大好きっ子だなぁ
「それじゃ意味無いだろ」
「え~ええやん、ええやんな?焔耶もウチと戦いたいよな?」
と粘る霧に
「悪いが代理は認めない」
とあっさり却下
「ガーン!」
と落ち込む霧
「まぁ落ち込むな霧、仲間になったらいつでも戦えるようになる」
「ほぅそれは私を倒すと言うことか?」
睨む焔耶に
「あぁ倒すよ?」
と答えた
「良い度胸だ、ならば倒してみろ!」
こうして戦いは始まった
焔耶との戦いが始まった、しかし俺は今回まともに戦う気は無い、だってまともに戦ったら疲れるもん
「はぁ!」
焔耶は棍棒を叩きつけた
「ひょいっと♪」
それを避ける俺
「なめているのか?さっきから避けてばかりではないか!」
と怒る焔耶、よしいい感じだ
「そういう言葉は当ててから言って下さい♪」
と笑いながら言った
「そのふざけた態度後悔させてやる!」
怒りにまかせて健太に全力で攻撃する焔耶、その時外野は
「どう思う桔梗?」
「どうもなにも明らかに焔耶は罠にかかっておろう」
「あっちゃ~、ありゃ焔耶負けたで」
「ふん、これだから猪は」
「でも、健太様の体力ほうは大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です!健太様は負けません!」
「というか健太様の負ける所が想像出来ないな」
「やな♪」
「なの~♪」
そうこう話していると
「どうやら決着がついたようじゃな」
皆が見ると足を地面につけている焔耶がいた
「はぁはぁ、クソ!貴様っ卑怯だとは思わないのか!」
と問う焔耶に
「卑怯?君は何を言っているんだい?君が言ったんじゃないか、
戦いは恨まれるくらいは当たり前だと、君の恨み言はその当たり前だろう?」
その言葉に黙る焔耶
さらに健太は言う
「それにこれは立派な策だ、君と俺がまともに打ち合えば間違いなく俺は負ける、
ならば俺は敵の体力を削ることをしなければならない、結果俺は君のその簡単に怒る性格を利用した。
さぁこれが実際の戦なら君は卑怯だと言えるかな?」
焔耶は少し黙り
「負けました」
と素直に負けを認めた
「うん焔耶、素直に人の言葉を聞き間違いを認める君はまだまだ強くなれる、今回のことを経験にして次は怒りに身をまかせないようにね♪」
そういい焔耶の手を握った
「!!!はい、お館様!!!」
顔を赤くし言う焔耶
その光景を見て
「また、また新たな敵が!」
「健太、こらまた説教やな」
「健太様・・・」
「・・・暗殺しますか」
「健太様!」
「健太様、ウチらの前で口説くとかええ度胸しとるやないか」
「そうなの~!」
「はっはっは、新たなお館様はモテますな」
「えぇ、本当に♪」
「そこ、笑ってないで助けなさい!」
「それは出来ませぬな、女の怒りを受けるのも男の甲斐性ですからな!」
「えぇ、ですので遠慮させて頂きます♪」
「はぁ、仕方ないな」
俺は皆の機嫌を為なおすに移動した
「私は、お館様に一生を捧げます!」
焔耶はそう誓った。


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