:2013/10/16 (水) 20:41
16日のロンドン市場は、ドルが軟調に推移している。序盤は対ポンドでの下落が目立った。この日発表される英6-8月ILO失業率への改善期待もあって発表前からポンドが堅調に推移した。ポンドドルは1.5970-80レベルから1.60台に乗せる動き。ILO失業率は予想通り7.7%だったが、同時刻に発表された9月失業保険申請件数が予想以上に減少、社会保障受給へースの失業率が9月は4.0%と8月4.2%から改善した。この結果を受けてポンドドルは一時1.6059レベルと1週間ぶり高値水準に上昇した。その後は利益確定売りに押される場面もあったが1.60台を維持する底堅い値動きになっている。ユーロドルも連れ高となっていたが、ロンドン中盤にかけては一時1.3562レベルまで高値を伸ばしており、ポンド高の動きに追いついている。8月のユーロ圏貿易黒字が予想以上に縮小していたが、ユーロドルの下げは限定的だった。ロンドン早朝には2.75%台に上昇した米10年債利回りが2.72%近辺へと低下しており、ドル相場を圧迫している。ドル円はじり安となり、98.30近辺へと小幅に軟化している。
米財政協議がなかなか進展しないまま17日の債務上限引き上げ期限が迫ってきている。スウェーデン財務相は米国がデフォルトするリスクに備え、市場が混乱した場合にも同国の金融 システムが米ドルを調達できるように準備している、と述べていた。各国中銀がドルの流動性供給を行う準備をしているもようで、デフォルトが現実のものとなるリスクに備えようとしている。米株先物はやや反発しているが、アジア株で中国株が大幅安となったほか、欧州株もマイナス圏で推移している。現状は期待より不安感が広がってきており、ドル売りの圧力となっているようだ。