Updated: Tokyo  2013/10/17 03:46  |  New York  2013/10/16 14:46  |  London  2013/10/16 19:46
 

債券上昇、5年入札順調で午後に一段高-長期金利は1週間ぶり低水準

Share Google チェック

  10月16日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。きょう実施の5年債入札が順調な結果となったことを受けて買いが優勢になり、午後に上げ幅を拡大した。長期金利は1週間ぶり低水準に達した。

東京先物市場で中心限月の12月物は前日比2銭安の144円23銭で開始し、直後に144円29銭に上昇した。いったんは144円18銭に下落したが、再びプラスに転じ、午後零時45分の入札結果発表後には一段高となった。午後2時半すぎには144円48銭と日中取引で8日以来の高値を付け、結局は21銭高の144円46銭で引けた。

みずほ証券の早乙女輝美シニア債券ストラテジストは、5年債入札結果について、「強かったのでショートカバーを巻き込んだ上昇が起きている」と話した。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.66%で始まり、午前は同水準で推移。午後に入ると徐々に水準を切り下げ、0.64%と8日以来の低水準を付けた。

前回入札された5年物114回債利回りは前日比横ばいの0.235%で推移していたのが、入札結果を受けて2bp低い0.215%に下げている。20年物の146回債利回りは2bp低い1.505%。30年物の40回債利回りは2bp低い1.645%に低下した。

5年債入札、応札倍率上昇

財務省がこの日実施した表面利率0.2%の5年利付国債(115回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円84銭と事前予想を1銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格との差)は1銭と前回と同じ。投資家需要の強さを示す応札倍率は4.83倍と前回の3.30倍から上昇した。

きょう入札された5年物の115回債利回りは0.235%で取引を開始。その後は買いが入って0.215%に低下し、入札時の平均落札利回り0.23%を下回って推移している。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、今回の入札について、「大手銀行のリスクテーク力が回復しており、余剰資金の行き場になるという前向きな理由に加え、米財政協議の決着が近づき、過度なフラット(平たん)化の修正を図るという後ろ向きな理由からも5年債が選好されそうだ」と指摘していた。

この日は米債安の流れを引き継いで売り先行で始まった。15日の米国債相場は米10年債利回り が4bp上昇の2.73%程度。一方、米株相場も下落し、S&P500種株価指数は前日比0.7%安の1698.06で引けた。

バークレイズ証券の丹治倫敦債券ストラテジストは、「米財政協議が引き続き難航しており、積極的に売る展開にはなりづらい」と指摘していた。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/16 16:10 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。