オスプレイ:2機参加で初の日米共同訓練 滋賀・高島
毎日新聞 2013年10月16日 12時02分(最終更新 10月16日 13時47分)
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを使った国内初の日米共同訓練が16日、滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で実施された。台風26号の影響で時折風雨が激しくなる中、陸自と海兵隊の隊員を乗せたオスプレイが演習場内に着陸する様子が報道陣に公開された。
オスプレイは南海トラフ地震を想定して25日に高知県などで計画されている日米共同統合防災訓練でも使用される予定。日米両政府は2回の訓練で有用性や安全性をアピールして本土への訓練移転の環境を整え、沖縄の負担軽減につなげたい考えだ。
訓練で使用されたのは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている2機。15日に岩国基地(山口県)へ移動した後、16日朝になって滋賀へ向かい、午前10時21分に饗庭野演習場に到着した。地元は「市街地と琵琶湖上空の飛行を避けてほしい」と要望していたが、天候の影響もあり、一部市街地上空を通過したという。
この日の訓練は海兵隊員と陸自隊員が、オスプレイで敵陣の後方に移動し、退路を遮断する想定で行われた。激しい風雨の中、小銃などを持った隊員40人を乗せたオスプレイ2機が、プロペラとエンジン部分を垂直に立てた状態でヘリコプターのように着陸した。
嘉田由紀子・滋賀県知事や福井正明・高島市長らがこの日の訓練を視察。周辺ではオスプレイ参加に反対する市民団体らが抗議活動した。
饗庭野演習場での日米共同訓練は8日から始まり、海兵大隊の約80人と陸自普通科連隊の約150人が参加している。
オスプレイを使った日米共同訓練は、米西海岸で今年2月に初めて行われた。【本多健】