一条工務店の設計提案契約が違法行為に抵触か

セゾン・設計提案時の違法契約に抵触しかねない
契約金100万円の仮請負契約書に注意したい

セゾン・設計提案時の違法契約行為寸前だったＷさんの請負契約-1

住宅相談室には、一条工務店に関してのもろもろの苦情相談が時折よせられいる。著者が最っとも気になるのは、営業マンによる設計提案時の違法行為に抵触しかねない契約行為である。

最近の読者からの苦情相談では、設計提案時に地盤調査料や設計料として100万円を契約金として預かり、仮契約を行なってしまったとの相談なのだが。
万一、プランが気に入らず解約をした場合には、営業費が加算され50万～60万円位の違約金が請求されたとの切ない相談が多いのである。

家のプランニングが進み、家の建築費の概算見積もり書が出来上がった場合には、営業費は差し引かれず60万円-Ｄを建築費に充当させる手法で請負契約を締結しているようだが。

この、仮契約と称する請負契約書-１には、モデルハウスのプランが添えられているが、契約書を見ると工事代金-Ａや着工予定日-Ｂは記載されておらず。かって、Ｗさんが契約金を100万円支払い違法契約-1を締結した時と同様の手口となっており、著者が一条工務店に勧告したことで違法行為は事前に避けられたものの。

現在も、一条工務店ではＷさんとほとんど変わらな営業手法で、違法行為に抵触しかねない契約行為が行われているのである。

家の施工途中や完成後になって、こうした営業マンによる約束不履行などの問題で、一条工務店と揉めて嫌な思いをしないことを防ぐためにも、設計提案時にはＷさんの相談事例を参考としていただきたいのである。

お金を振り込まないと計画が進まないと云われ
やむおえず102万円を振り込みました

先日は、お電話で失礼しました。初めて家を建てるという事で、どこのメーカーが良いのか書店にもよく住宅書を見に行ったのですが、素人に注意点がわかりやすい本がみつからず今回の様になってしまいました。

随分迷ったのですが木の家を建てたいという事で、ハウジングセンターを見に行きお電話で話した様ないきさつになってしまいました。

解約にあたって、解約に伴う金額が２４万円かかりましたとの事です。これが、３０万～４０万円言われてもそうゆうものかな、しかたない(どこに相談して良いのかわからないから)、納得のいかない家を建てるよりも大きなお金が動く事だから、それくらい仕方が無いかなと思っていました。

コツコツと、蓄えた大切なお金ですので少しでも返金していただければ嬉しいのですが、会社の言われるまま支払わなければいけないのか疑問に思い、おもいきってご連絡しました宜しくお願いします。今後メーカーハウスの本を参考にして納得のいく家づくりをしたいと思っています。
乱筆、乱文にて失礼します。
（原文のままＷさんより）

2-Ｗさんから寄せられた悲痛な解約金
24万円の苦情相談のお手紙

サムネールはスケﾂチであり設計図とは云えない

3-Ｗさんへ提案されたサムネールは、云わば
ラフスケﾂチであり設計図とは云わないが、よ
く見ると作図が大変雑でＷさんが断りたくな
るのも判るような気がしてくる。

4-プランをみると、Ｗさんが云うように１階
は殆どモデルハウスのプランそのままで収納
面が不足しているが、２階へ上がる一直線の
急な階段は上り降りに危険ではないのか。

自由設計で思い通りの家が出来ると思いましたが
どの家も同じように見えて不安になりました

Ｗさんは、住宅展示場で一条工務店のセゾンを見て一目で気に入っしまい、展示上の営業マンから「プランニングの提案を無料でプレゼンしてさし上げますよ」と言われたので、すっかりその言葉を信用し無料設計の提案をお願いしたのである。

後日、営業マンがＷさんの自宅に計画書を届けにきて、突然「申し込み金１００万円(消費税別)を頂かなくては、設計の計画は進みません契約してください」と強引に言われたので、渋々、解約書に捺印し102万円を振り込んだ云う。手紙-5

Ｗさんは、建築現場を６～７軒見せてもらいながら、どの家を見に行ってもほとんど変わらない『モデルハウスと同じ様に見えるが、はたして自分の描いた通りの家が出来るのだろうか』と疑問を持つようになり、
営業マンの、強引さにも不安を感じて解約の連絡をしたようだが。

一条工務店からは、２週間も何の連絡もないので不安になり、書店で著者の本を購入し一条工務店の項目を見ると、解約時にトラブルありと書かれていたので不安が増大したと云う。

5-Ｗさんから寄せられた、今回の一条工
務店についての経過説明書。

敷地調査費＋地盤調査費が14万円となっているが
異常に高い、合わせて6～7万円が相場である

まず、解約金通知書-6を見てみると、営業経費としての５万円の請求金額がおかしい、「無料でプランニングの提案をします」と言っておきながら請求するのは筋が通らないではないだろうか。

また、敷地調査費が８万円と地盤調査費が6万円と記載されているが、通常は、地盤調査の中に敷地調査も含まれているわけで、他のメーカーでは合わせて6～7万円位が相場であり一条工務店の請求額は異常に高過ぎるのである。(トラバース調べ)

その他に、図面作成費３万円と書かれているわけだが、図面を見た限りはサムネールであり基礎伏図も添えられていない、これは設計図と云うような図面ではなくラフプランではないのか。

当然、これらは最初の約束通り無料プランニング提案のはずだが、一条工務店へ支払う解約金は地盤調査料として6～7万円であり、返金は差し引き93～94万円が妥当な金額ではないだろうか。

しかし、設計図も真ともに作図されていない工事請負契約-1の締結そのものが、違法行為が指摘されるのわけだであり、Ｗさんは解約金を支払う必要はまったく無く全額返金されるべきである。

6-家解約すると営業マンからは連絡も
なく、突然、Ｗさんへ解約金24万円
の通知書が送られてきた。

営業マンに白紙のまま強引に捺印させられた
違法行為が指摘される工事請負契約書

さて、この会社ぐるみと云わざる負えない、違法行為が指摘される工事請負契約書-1を見ると問題点が多く見えてくる、まずＷさんの契約書では設計図が出来上がっていないため、施工面積が記入されていないわけだが、なんと、坪単価セゾンＳが○○万円、Ｍが○○万円と二通り-Ｃ坪単価が記載されているだけで、工事請負金額欄も白紙のまま何も記入されていない状態なのだ。（施工価格は赤線で消しています）

また、着工予定日-Ｂはもちろん完成予定日も記入されておらず、預かり金として60万円と手書きで記入された工事請負契約書には、Ｗさんと一条工務店の代表取締印が押されていると云う、大変雑な工事請負契約書となっていたのである。

ここで、著者が残念に思うことは、工事請負契約書に代表取締印が押されていると云うことは、会社ぐるみの違法行為であったことだが、おそらく支店長の独断で本社の了承を得ずに作成したと思われることだが。

一条工務店が約束を守らない原因は、おそらく本社に報告しないで展示場単位で支店長の独断で推し進めていることにあるようだ。

アドバイスとしては、サイト上のブログでも同様の苦情が投稿されいるわけだが、こうした一条工務店独特の無料設計提案の営業方法に心配がある方は、口約束した内容を営業マンと営業所の責任者に特記事項として契約書に一筆書いてもらい、念のため署名捺印してもらうことをお勧めする。

尚、このＷさんからの解約金苦情相談は、直ちに当住宅相談室から一条工務店に勧告し、Ｗさんへ返金され全て解決済みとなっている。

7-Ｗさんはファサードにも失望したという





8-一条工務店が実施した測量図

セゾンＩ-ＨＥＡＤ構法が地震に危ない
一条工務店とのトラブルを防ぐ

写真は設計監修した際に撮影したもので著作権は著者に帰属しています。

住宅診断　佐藤　紀章

大きく張り出したベｲウインドー、暖炉のあるアットホームなリビング、窓辺からヴィバルデｲｰのバイオリンの音色が流れてくるような、２世帯で暮らす洋館の家をイメージしました。

設計監修の記念として、著者のオフィス名であるstudioＳＡＩＳＯＮから、洋館・セゾンと命名させて頂いたモデルハウスであるが。

開放的なベイウンドのある、モダンなリビングとロマンチﾂクなドーマーの洋風スタイルが注目を集め。またたく間に全国展開に広がって行き、現在では木造軸組メーカーでは住友林業に次ぐ実積を見せています。

セゾンの最大の特徴は、土台や柱に120ﾐﾘ角無垢の「桧」を使用していることだが、構造部材はあらかじめ自社直営工場でプレカツトする、木下工務店方式の工場加工方式を取り入れていることにあるが。（土台に桧は一条工務店の回答待ちです）

木造軸組プレカﾂト構法から、一歩前進し一条工務店らしい発想で新しい新木造的な洋風・セゾンＩ-ＨＥＡＤＯ構法を開発し、通し柱を取り外した洋風・セゾンは大変売れているようである。

しかし、いま注目のセゾンＩ-ＨＥＡＤＯ構法の構造躯体に、大地震における構造剛性における耐震面に大問題が発覚したのである。

福島市の、安斎邸では震度５強で全壊したようであるが、Ｉ-ＨＥＡＤＯ構法では躯体四隅の通し柱を取り外し、１・２階の管柱を２階床梁を挟みこむように連結し、通し柱状に仕上げて構造剛性を高めているわけだが。

２階床梁の、仕口（ホゾ穴）に管柱を差し込む固定方法では引き抜き強度は著しく劣るわけで、再度繰り返し襲って来た東日本大地震のような大地震には、耐震強度が得られない場合がある。

東京大学農学部と、共同開発されたＩ-ＨＥＡＤＯ新構法は優れた発想だと思うが、軽量鉄骨構造のプレハブ住宅や新木造の躯体連結部のように、高い引き抜き強度が得られないことが、今後予期される大地震における最大の弱点となっている。

セゾンは、モデルハウスそのままのプランニングで建てることをお薦めする、万一、モデルハウスの設計変更プランでお建てになる場合は、「チェツクポイント」を参考にして頂ければ幸いだ。

ハウスドクターの住宅相談室　
間違いのない家づくり-２

地震に負けない家づくりは経験豊かな
設計士の腕次第で決まる

家づくりの本　住宅診断・佐藤 紀章

「間違いのない家づくり」や「間違いのない家選び」は、全国図書館優良図書指定を頂いた書籍
ですが。27冊に及ぶハウスマガジンは、今なおアマゾン・ドﾂトコムの通販や中古書店、全国
の図書館などで閲覧された読者の皆様から住宅相談が寄せられています。