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地方
騒音、治安悪化…海の家「クラブ化」防げ 神奈川・湘南で規制強化の動き
海水浴客でにぎわう神奈川・湘南のビーチでここ数年、音楽を大音量で流す「海の家」が出現し、若者がダンスに興じる“クラブ化”の動きが目立っている。こうした動きを封じるため、藤沢市の片瀬西浜海水浴場では今シーズンから音楽を海の家で流すことを禁じ、逗子市の逗子海水浴場では海の家の営業時間を30分短縮して午後8時半までとするなど規制強化に乗り出す。海水浴シーズンの到来を控え、騒音に悩まされてきた夏の湘南は平穏を取り戻せるのか。(川上朝栄)
うなる重低音に合わせて、水着姿の男女がダンスに興じる。片瀬西浜海水浴場ではここ数年、クラブ化した海の家が乱立し、国道をはさんだ住宅地にまで騒音が届くなど、住民からの苦情が相次いでいた。
さらに、酒に酔った若者が乱闘を繰り広げ、警察が出動するケースも頻発。治安の急速な悪化により藤沢市と県は1月、海水浴場組合に対して健全化を求める要望を行い、組合側は「音楽の全面禁止」や「店員の入れ墨の露出を控える」といった自主規制ルールを打ち出した。
組合関係者によると「このままでは規制が強化され営業できなくなる可能性がある」との危機感から「厳格な自主規制」に舵を切ったという。
営業時間の短縮を決めた逗子海水浴場でも、ここ数年は風紀が乱れる一方だ。
「これじゃあ、とても家族連れでは行けない」。逗子海水浴場の海の家で撮影された動画を見た逗子市議は思わず目を背けた。酒に酔った男女が身体を密着させながら踊る様子が撮影されており、別の店では肌もあらわな女性がポールダンスを繰り広げていたという。
風営法では公安委員会の許可なく設備を設けて客にダンスをさせることを禁じていることから、逗子市議会では風営法の対象に海の家を含めるよう求める意見書を提出する動きもある。ただ、常設ではない海の家を風営法の対象とするかは議論が分かれており、県警は「(自主規制など)今後の推移を見守る」(生活安全総務課)という。
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