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【元慰安婦報告書】「公文書と呼ぶにはお粗末だ」現代史家の秦郁彦氏

ニュースカテゴリ:政治の政策

【元慰安婦報告書】「公文書と呼ぶにはお粗末だ」現代史家の秦郁彦氏

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 河野談話の主な根拠が、元慰安婦16人の証言だったことは、河野洋平氏が自認しているところだが、日本政府は調査団がソウルで実施した聞き取り調査報告書の公開を拒んできた。

 20年ぶりに陽の目を見たこの報告メモに目を通し、理由が分かったような気がする。身の上、氏名、年齢さえあやふやな慰安婦が多く、公文書と呼ぶには恥ずかしいほどお粗末なものだったからである。

 この半年前に安秉直ソウル大教授と韓国挺身隊問題対策協議会が2年がかりで聞き取り調査した慰安婦40人余のうち、信頼性の低い21人分は切り捨て、19人分の結果を刊行していた。ところが、日本政府のヒアリングに韓国政府が差し向けたのは、切り捨て組の面々だったと思われる。

 すでに強制性を認め謝罪に徹する気になっていた河野氏にとって、聞き取り調査は国民向けの形式行事にすぎなかった。それを知りつつ韓国側の非礼、非協力に堪えた調査団の屈辱を思えば、責める気も萎えてくる。

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