日米株安:米債務問題で金融市場動揺
毎日新聞 2013年10月04日 21時00分(最終更新 10月05日 01時27分)
米与野党の財政協議行き詰まりに伴う米政府機関閉鎖や、米国債の債務不履行(デフォルト)リスクをはらむ米連邦債務上限引き上げ問題の先行き不安で金融市場が動揺している。3日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は130ドル超下げ約1カ月ぶりに1万5000ドルを下回った。外国為替市場ではドル売りが強まり、4日の東京株式市場の日経平均株価は円高を嫌気し一時、約1カ月ぶりに1万4000円を割った。市場では「米政治の混乱が続けば、債務上限引き上げ期限の17日に向け、日米同時株安がさらに進む」と警戒感が広がる。
米政府機関の一部閉鎖から2日がたち、オバマ大統領がアジア歴訪を取りやめる事態となっても、妥協の見通しが立たない米与野党の財政協議。米経済界や投資家の間では景気への打撃や金融市場の混乱を懸念する声が高まっている。
ニューヨーク株式市場では米2014会計年度(13年10月〜14年9月)予算をめぐる与野党協議の難航で10月からの政府機関閉鎖の見通しが強まるにつれてダウ平均の下落が加速。直近の高値(9月18日)から10月3日までのダウ平均の下落幅は約680ドルに達した。4日午前の取引ではダウ平均はやや反発しているが、財政問題への不安は強い。
政府機関閉鎖の影響で、4日に予定された9月の米雇用統計の発表も延期に。米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和の縮小時期を占う指標でもあるだけに、市場関係者は「景気や金利動向が読めない」(米アナリスト)と嘆く。
また、民間企業では政府との取引停止で従業員のレイオフ(一時帰休)を打ち出す動きも出ている。米ゴールドマン・サックスは「閉鎖が1週間続いた場合、今年10〜12月期の米経済成長率が0.2ポイント、2週間なら0.4ポイント押し下げられる」と予測する。
17日には米政府の借金の限度を定めた連邦債務上限引き上げの期限が控える。与野党が合意できなければ、米国債の元利払いが止まる恐れがあり、米財務省は「(リーマン・ショック時の)08年を超える金融危機と景気後退を引き起こす」と警告する。