G20:米の債務上限引き上げ、主要議題に浮上
毎日新聞 2013年10月09日 19時53分
10日から米ワシントンで開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議や世界銀行・国際通貨基金(IMF)年次総会で、米国の連邦債務上限引き上げ問題が主要議題に浮上している。米政府・与党民主党と野党共和党との対立が政府機関の一部閉鎖に発展し、株価下落などで世界経済にも影を落としており、米国債がデフォルト(債務不履行)に陥ればさらに影響が深刻になるためだ。
IMFのラガルド専務理事は3日、ワシントンの大学で講演し、「政府閉鎖だけでも十分問題だが、債務上限の引き上げ失敗の影響はさらに大きく、世界経済全体に大きなダメージを与えかねない」と警告、米国に問題の早期解決を求めた。
米国際資本統計によると、7月末現在で海外の政府や機関投資家が保有する米国債は5兆5901億ドル(542兆円)にのぼり、このうち日本の保有額は1兆1354億ドル(110兆円)。17日までに議会が債務上限を引き上げずに米国債がデフォルトに陥れば、米国債の暴落は避けられず、米国債を持つ金融機関の株を中心に世界各地で株価が下落し、世界経済が大混乱に陥ることが懸念される。
G20には日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が出席予定。麻生氏は、1日に安倍晋三首相が来春からの消費税率8%を決断したことや、景気腰折れを防ぐ経済対策の内容を説明する。【丸山進】