【ワシントン平地修】主要２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議が１０日、ワシントンで開幕した。米連邦政府の債務上限引き上げなどを巡る財政問題が、世界経済や金融市場に影響を及ぼしかねないとして、各国が早急な対応を米国に求めた。１１日午後（日本時間１２日未明）に共同声明を採択し、閉幕する。先進７カ国（Ｇ７）の財務相・中銀総裁も開幕前、非公式の会合を開いた。

　初日は世界経済について意見を交わした。麻生太郎財務相は記者会見で、会議の席上のほか、ルー米財務長官とも個別に会談し、「債務上限問題は米国だけではなく、世界経済や金融市場に与える影響が極めて大きい。早期解決を期待する」と伝えたことを明らかにした。また、「各国が考えていることは皆同じ」と述べ、米財政問題への危機意識をＧ２０が共有したことを示唆した。

　米国では暫定予算成立のめどが立たず、政府機関の一部閉鎖は１０日に及んでいる。１７日までに議会が債務上限の引き上げに同意しなければ、連邦政府の資金繰りが行き詰まり、米国債の償還や利払いが滞る恐れがある。黒田東彦（はるひこ）日銀総裁もＧ２０開幕前に記者団の取材に応じ、「世界経済を引っ張っている米国で財政問題が長引くことは非常に好ましくない」と懸念を表明した。

　また麻生財務相は、日本政府が来春、消費税を予定通り５％から８％に引き上げることと、増税に伴う経済対策について説明した。