米債務上限:共和党、6週間分引き上げ提示 合意に至らず
毎日新聞 2013年10月11日 11時45分(最終更新 10月11日 12時23分)
【ワシントン平地修】オバマ米大統領は10日、連邦政府の債務上限引き上げ問題などを巡る与野党間の対立の打開に向けて、ホワイトハウスでベイナー下院議長ら野党共和党幹部と会談した。共和党は、米国債のデフォルト(債務不履行)回避のため、上限を6週間分だけ引き上げる妥協案を提示。ただ、大統領の求める政府機関の再開には応じなかったことなどから合意に至らなかった。
オバマ大統領は共和党幹部らと約1時間半にわたって協議。ホワイトハウスは会談後、「具体的な決定は行われなかった」との声明を発表した。同時に「大統領は両党間で進展が続くことを期待している」と、今後の協議に前向きな姿勢を示した。下院共和党も「有益かつ生産的な対話ができた」とのコメントを出した。
米メディアが伝えた共和党幹部の発言によると、大統領は共和党の提案について肯定も否定もしなかった。一方、大統領の主張する政府機関の即時再開について共和党は、上限引き上げ合意後に協議するとの姿勢を崩さず、合意は持ち越しとなった。
10月1日に政府機関が閉鎖されてから、オバマ大統領がベイナー議長と直接会談するのは2日に続き2回目。前回は歩み寄りが見られないまま決裂したが、共和党が妥協案を示したことで、問題解決に向けた協議がようやく前進し始めた。
米国では、連邦政府の債務の上限を法律で定めている。引き上げなければ17日にも現在の上限(約16兆7000億ドル=約1640兆円)を突破する見通し。引き上げには上下両院の同意が必要となる。