G20:米に「財政問題で緊急行動を」 声明採択し閉幕

毎日新聞 2013年10月12日 11時02分

 【ワシントン平地修】主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は11日午後(日本時間12日未明)、共同声明を採択して閉幕した。債務上限(借金できる額)引き上げなどを巡る米国の財政問題が世界経済に大きな影響を及ぼしかねないため、声明は「財政の不確実性に対処する緊急行動が必要」と明記し、米国に早期解決を求めた。

 世界経済の現状について声明は「主要な先進国に改善の兆しが見られる一方、多くの新興国で成長が鈍化している」と指摘した。その上で「(経済が)悪化するリスクは残っている」とし、米国を名指しして、財政問題の決着を要求。議長国ロシアのシルアノフ財務相は閉幕後の記者会見で「数日内に不確実性が消えることを望む」と語った。

 米国では与野党の対立から暫定予算が成立せず、10月1日から政府機関の一部閉鎖に追い込まれた。17日までに債務上限を引き上げなければ、連邦政府の資金繰りが行き詰まり、米国債の償還や利払いが滞る債務不履行の恐れがある。これらの事態が解決しない限り、世界経済や金融市場への打撃は避けられないことから、会議では各国から強い懸念が表明された。

 声明は、先進国の金融政策についても「将来的な変更については、注意深く検討され、明確に説明される必要がある」と強調。米国で検討されている量的緩和縮小などで、資金流出が起きることを懸念する新興国に配慮した。

 一方、これまでの声明に盛り込まれていた「通貨の競争的な切り下げを回避する」など為替問題についての言及はなかった。声明文を短くするためとみられ、日本政府関係者は「今までの考え方が変わったわけではない」としている。

 日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が出席。麻生氏は、会議で来春の消費税引き上げと経済対策を説明。閉幕後の会見で「経済成長と財政健全化の両立というG20の考えに沿ったもので、各国の評価を得られた」と語った。黒田氏は「日銀の量的・質的金融緩和が効果を発揮し、2%の物価安定目標の達成に向けた道筋を順調にたどっていると説明した」と述べた。

 ◇G20共同声明骨子

・世界経済の回復は続いている

・主要先進国で改善の兆しが見られる一方、多くの新興国の成長が鈍化。下方リスクは引き続き残っている

・米国は財政の不確実性に対処するための緊急の行動が必要

・将来の金融政策の変更については、注意深い検討と、明確な説明が必要

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

週刊エコノミスト

週刊エコノミスト

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

環境の毎日

環境の毎日

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

日報連

日報連