米債務上限:大統領と下院共和は決裂 焦点は上院協議に
毎日新聞 2013年10月13日 22時01分(最終更新 10月14日 00時11分)
【ワシントン平地修】米国の連邦債務上限引き上げ問題をめぐるオバマ大統領と野党共和党下院との協議が12日、暗礁に乗り上げた。米紙ワシントン・ポストなどによると、共和党のベイナー下院議長は同党下院の集会で「(大統領との協議は)決裂した」と伝えた。これを受けて、米上院与野党トップは同日、債務上限問題の協議を開始、期限の17日までの米国債のデフォルト(債務不履行)回避に向けた焦点は上院の動きに移った。
下院共和党は10日、債務上限を6週間引き上げたうえで、その間に閉鎖された政府機関再開のための暫定予算案や、医療保険改革(オバマケア)を含む財政問題を協議する妥協案を提示。しかし、オバマ大統領はより長い期間の債務上限引き上げなどを求め、折り合いがつかなかった。
これを受け、上院では民主党のリード院内総務と共和党のマコネル院内総務が12日に会談。株式など金融市場が開く週明け14日までの打開を目指し、協議することで一致した。リード院内総務は記者団に対して「今後48時間以内での打開を目指す」と述べた。
上院共和党では一部議員が来年1月末までの債務上限引き上げに加え、半年間の暫定予算を組んで政府機関を再開させる案を検討。代わりにオバマケアを一部見直すように求めている。12日の上院トップ会談では、この妥協案も協議されたが、民主党のリード院内総務はオバマケア見直しに難色を示した模様だ。ただ、両党は協議を13日も続行することは確認した。
米国債のデフォルト回避には17日までに上下両院が同一の債務上限引き上げ法案を可決し、オバマ大統領が署名する必要がある。民主党が多数の上院に協議の舞台が移り、今後は超党派の合意を得る妥協案がまとまるかどうかが焦点。大統領や与党民主党は上院が超党派の圧倒的多数で妥協案を可決すれば、下院でも民主党と共和党の一部穏健派の賛成で可決できる道が開けると期待する。ただ、オバマケアをめぐる与野党対立は根深く、米国のデフォルト回避の成否はなお不透明だ。