【ワシントン平地修】米国がデフォルト（債務不履行）の危機に陥る恐れのある債務上限引き上げ問題を巡り、上院与野党のトップは１４日も危機回避に向けた協議を継続。民主党のリード院内総務と野党共和党のマコネル院内総務はそれぞれ、協議の行方について「楽観的」との見方を示し、上院では１７日の引き上げ期限前の合意に近づいている模様だ。

　米主要メディアによると、両党は来年２月１５日まで債務上限を引き上げ、同１月１５日までの暫定予算を成立させて、閉鎖中の政府機関を再開させる案を検討中。共和党が求める医療保険改革法の一部修正などを巡り、詰めの協議を行っているとみられる。

　マコネル院内総務は１４日の議会で、「建設的な協議を行っており、両党が受け入れ可能な結論を得られるとの楽観的見方を（民主党側と）共有している」と述べた。

　オバマ大統領は同日午後、上限問題を巡り与野党幹部とホワイトハウスで協議する予定だったが、急きょ延期すると発表。ホワイトハウス高官は「与野党の指導部に解決に向けた協議を続けてもらうため」と理由を説明しており、まずは上院トップ間での合意を目指す方針とみられる。

　１５日にも上院で合意すれば、早急に法案を可決させたうえで下院に送り、採決を求める方針。ただ、共和党が多数を占める下院で上院案を可決できるかどうかは依然、見通しが立っておらず、上限引き上げ失敗によるデフォルトの回避はなお予断を許さない状況だ。