2004年7月24日 朝日新聞朝刊
NHK「不正支出4800万円」 着服プロデューサー免職、詐欺で告訴
NHK(海老沢勝二会長)のチーフプロデューサーが番組制作費を着服した問題で、NHKは23日、「紅白歌合戦」などの制作費名目で
計80回、4800万円余りが不正に支出されていたと発表した。調査はまだ終わっておらず、金額は、今後増える可能性がある。NHKは
同日、プロデューサーを懲戒免職とし、不正支出先となったイベント会社社長とともに詐欺容疑で警視庁に告訴状を出した。
プロデューサーは「支出ごとに最大で半額を返金(キックバック)させ、飲食費などに使った」と話している。また、3年前に当時の
上司が事実を把握したが、放置していたこともわかった。NHKは、海老沢勝二会長を減給30%3カ月、当時の上司を停職6カ月とするなど
、幹部6人も処分した。
懲戒免職になったのはラジオセンターの磯野克己チーフプロデューサー(47)。20日の会見で明らかにしていた「BSジュニアのど自慢」
(不正支出額1900万円)のほかに、磯野プロデューサーが制作費の管理責任者として96年から01年にかけて、「紅白歌合戦」(同600万円)、
「ふたりのびビッグショー」(同360万円)、「青春のポップス」(同900万円)など、芸能・音楽関係の4レギュラー番組と単発の10番組で
不正支出が続いていた。
いずれも磯野プロデューサーの大学の先輩が社長を務めるイベント企画会社に、業務の実態がないのに「番組構成料」などの名目で
支出していた。磯野プロデューサーは「支払いの都度、最大で半分を現金や口座振り込みでキックバックさせていた」と話していると
いう。NHKは「本人の記憶があいまいで、キックバックの総額ははっきりしないが、芸能プロダクション関係者との飲食費などに使った
ようだ」と説明している。
磯野プロデューサーが担当した番組の支出が不自然だったことは「ジュニアのど自慢」の後任チーフプロデューサーによって01年に
判明し、天海修一・芸能番組センター長(当時は歌謡・演芸番組部長)に報告された。
その時点で詳しい調査や処分は行われなかった。関根昭義放送総局長は「番組の赤字解消が最大目的で、上司は不自然な支出が止まった
ことでよしとしてしまった。誠に職務怠慢としか言えない」と話している。
NHKは支出先の調査などを続けており、新たな不正が判明したら発表するとしている。NHK会長の減給処分は、93年2月の「NHKスペシャル
『ムスタン』」のやらせ演出以来2度目。
関連
2004年12月5日 朝日新聞朝刊
NHK元プロデューサー逮捕 番組制作費詐取の疑い
要約ー警視庁は4日、架空発注で番組制作費をだまし取ったとして、元放送総局番組制作局所属の磯野克己容疑者(48)=東京都
大田区仲六郷3丁目=ら2人を詐欺の疑いで逮捕した。
2004年12月8日 朝日新聞夕刊
磯野容疑者、知人女性らと頻繁に海外旅行 NHK制作費流用
要約ー関係者によると、磯野容疑者はここ数年、年に数回、ハワイやグアム、香港などに出かけていた。多い年には10回近くにのぼる
こともあったという。飛行機はビジネスクラスで、知人の女性とたびたび出かけていたという。土産として腕時計などのブランド品を
多数購入していたという。
2005年2月5日 朝日新聞朝刊
詐取金で家具や服 NHK元プロデューサー、知人女性に購入
要約ー磯野容疑者は総額百数十万円の輸入家具を購入し、知人の女性宅に送らせていたことが分かった。女性と東京の
高級ブティックを訪れ、洋服なども買い与えていたという。
2004年7月28日 朝日新聞朝刊
NHK、編成幹部らカラ出張 不正に300万円、処分公表せず
番組制作局で多額の経費が着服されていたNHKで、編成局のチーフプロデューサーら2人がカラ出張を繰り返し、計約300万円を不正に
支出させていたことが27日、分かった。局内では3年前に発覚し、放送総局長が2人を厳重注意処分して配置転換したが、公表して
いなかった。
処分を受けたのは、プロジェクト「宇宙新時代」の責任者だったチーフプロデューサーと、部下の主管。2人はいずれも報道局
出身。現在は地方で勤務している。
NHK広報局の説明によると、2人は98年度から00年度にかけての3年間、国内出張名目で架空経費の請求を繰り返し、2人合わせて
計約300万円を不正に受け取った。01年5月に発覚し、同月24日付で放送総局長から口頭で厳重注意処分を受け、いずれも別々の地方局
に配置転換された。2人から約300万円は全額返済されたという。
処分当時、2人はNHKの調査に対し、「私的な流用はしていない。打ち合わせに伴う会食など業務に必要な経費として使った」と弁明
したという。
当時の関係者によると、「宇宙新時代」プロジェクトは、報道や技術などの各セクションからスタッフが集まり、宇宙をテーマにした
番組や視聴者イベントなどの企画、調査などを担当していたチーム。
NHK広報局によると、当時処分を公表しなかった理由について「私的流用がなく、全額返済したから」としている。また、詳しいいきさつ
は当時の状況を調べていないため、不明だという。
2004年8月3日 朝日新聞朝刊
NHK岡山の元部長が着服、懲戒免 5年前、公表せず
NHK岡山放送局の元放送部長が99年春、架空の飲食代の請求書を偽造するなどして計約90万円を着服したとして、懲戒免職になって
いたことが2日、わかった。同局は「着服金を全額返済しており、協会として最も重い処分にしている」として事実関係を公表せず、
刑事告訴も見送っていた。
同局によると、元放送部長は96年2月ごろから97年12月ごろの間、実在しない飲食店2軒からの請求書を偽造し、複数回にわたって、
局から金融機関の店の架空口座に金を振り込ませていた。
98年、局内の職員の内部告発で発覚。元部長も着服していたことを認め、99年4月に懲戒免職になった。着服金の使途について
同局は「特定できなかった」としている。
元部長は95年6月、岡山放送局では局長、副局長に次ぐポストの放送部長に着任。98年6月に衛星放送局(東京)の副部長に異動した。
着服の発覚が異動の前か後かについて同局は「不明」としている。
NHK岡山放送局の小池不二男副局長は「受信料で支えられているNHKで、不正に公金が支出されたのはあってはならないこと。心から
おわび申し上げます」と話している。
2004年9月3日 朝日新聞朝刊
NHK職員、受信料着服200万円、懲戒免職に ほかに3人処分
NHKは2日、97年から01年にかけ4件、計970万円の着服があり、職員4人を懲戒免職にしていたことを明らかにした。このうち1人は
集金した受信料200万円を着服していた。受信料の着服は、極めて異例という。海老沢勝二会長が公表した。
NHKによると、受信料を着服した職員は01年4月に免職になった。
そのほか、1人は取引銀行に対し、届け出印を使い100万円を不正に引き出し、97年11月に処分された。
00年11月に処分された職員は取引銀行の通帳を改ざん、300万円を不正に着服した。
さらに01年12月に処分された職員は、出向先の関連会社の経費370万円を私的に流用した。
いずれの場合も、上司ら関係者が処分されているという。
「いずれのケースも本人は事実を認め、全額弁済した」として、刑事告訴などはしていないという。
4人の氏名や肩書、着服の経緯については「プライバシー保護」を理由に明らかにしなかった。
NHKは4件の不祥事について「開示請求があれば公表しており、不祥事を隠蔽したわけではない」と強調。「今後は公金流用などの
重要な不祥事は『日本放送協会報』などに掲載するほか、記者発表などを通して明らかにしていく」と説明している。
○集金現場に驚き広がる
NHKは2日の会見で、具体的な受信料の着服の手口についは明らかにしなかった。着服はどのように行われたのか。
NHKによると、受信契約と集金は、全国76カ所の営業拠点に勤める営業職員約1200人のもとで、NHKと委託契約を交わした「地域
スタッフ」と呼ばれる約5700人が主に担っている。
NHK関係者によると、通常は、地域スタッフは集金した受信料を当日か翌日に、直接NHKの口座に入金するため、上司にあたる営業
職員は金に触れないという。
あるベテランの地域スタッフは「私たちが集めた現金を翌日午後3時までに指定口座に振り込まないと、反省文を書かされる」と語る。
このほかに、部署や部屋ごとに契約する企業やホテルなど大口契約者からの集金業務では、営業職員が「別扱い」などと呼んで、
多額の受信料を直接集めることがあるという。
ある営業職員は「別扱いで取り扱った集金額をごまかして着服することは、やろうと思えばできるだろうが、自分は聞いたことがない。
集金は1人で行うので、担当者が変わったりしない限り発覚しないだろう」と話す。
今回の着服問題に、集金の現場で働く人たちの間では衝撃が広がっている。
ある営業員は「これまで発覚した不祥事は番組制作や報道部門の不正経理だった。苦労して視聴者と受信料契約を結び、早朝から
深夜まで懸命に集金している現場の気持ちが分かっているのかと腹が立っていた。しかし今度は受信料の着服とは」と絶句した。
7月の不祥事発覚以降、視聴者が「何に使われているか分からない。今月から払うのをやめる」といって、受信料の支払いを拒否
するケースが現場では相次いでいるという。
2004年10月27日 朝日新聞朝刊
架空請求、452万円着服 テーマ曲発注を装う
NHKは26日、担当した番組の音楽を外部発注したように見せかけ512万円を架空請求し、そのうち452万円を着服したとして、放送
技術局制作技術センターの音響デザイン担当の男性職員(43)を11月1日付で懲戒免職処分にすると発表した。NHKは近く警視庁に被害
届を提出する。さらに、今月25日付で、上司の放送技術局長と制作技術センター長を減給、音響デザイン部長を訓告処分にした。
NHKによると、この職員は96年から3年間にわたり、「哲学ファンタジー 知恵ちゃんの不思議な手紙」や「NHKスペシャル 世紀を
超えて」など7番組(いずれも総合)のテーマ音楽を自分で作曲したにもかかわらず、知人の音楽製作プロダクションに依頼したかのように
装い、「音楽制作費」などの名目で架空の請求書を提出させた。同プロに支払われた512万円のうち452万円を銀行口座に振り込ませる
などして着服した。60万円は、同プロダクション側が手数料として受け取っていたと言う。
関連
2004年11月18日 朝日新聞朝刊
被害額、当初発表の2倍 NHK不正経理問題
要約ーNHKは17日、放送技術局制作技術センターの男性職員(43)の不正経理問題で、被害総額が先月の発表時の2倍超の
約1240万円だったと発表した。元職員とプロダクション社長は、すでに被害額全額を弁済している。
2005年5月20日 朝日新聞朝刊
NHK職員、470万円を着服 CG外注装い制作費を流用
NHKは19日、男性職員(39)が自分で作成したコンピューター・グラフィックス(CG)を外部のデザイナーに依頼したように装って
470万円を着服したとして、この職員を26日付で懲戒免職処分にすると発表した。職員は昨年3月から10月にかけて計4回の詐取行為を
したという。
NHKは今回の問題で前番組制作局長、前映像デザイン部長、映像デザイン部長を1カ月の減給(60分の1減額)とするなど、元上司や
上司の計5人を処分した。
NHKによると、職員は番組のセット制作を担当する映像デザイン部に所属。子会社のNHKアートを通じて新しいセットのイメージを
描くCGを制作する際、自分が作ったCGを外部デザイナーに発注したように見せかけ、NHKアートから親族名義の口座に計557万円
を支払わせたとされる。このうち、源泉徴収分を除く約470万円を着服したという。
今年3月末、NHKアートへの税務調査があり、この職員も聴取を受けた。この際に職員は上司に告白し、その後の内部調査で実態が
明らかになった。着服分は全額返済されており、NHKは刑事告訴はしない方針。
職員は内部調査で「年度末で仕事が多く、給料以上に働いていると感じていた。取り返しのつかないことをした」と述べている
という。
NHKは昨年9月から、コンプライアンス強化の一環として、経理処理について厳格なチェック体制を敷いてきたが、今回の不正経理
発覚を受けて「実際にCGが作成され、伝票も整っていたので発見が遅れた。NHK本体が支払う際のチェック体制は固まっていたが、
NHKアートからの支払いについては不正防止体制が整っていなかった」と説明している。
2005年7月29日 朝日新聞朝刊
カメラマンが350万円分着服 NHKが懲戒免職
NHKは28日、取材協力者への謝礼と偽り約354万円分のビール券を着服していたとしてチーフカメラマン(46)を同日付で懲戒
免職処分にしたと発表した。同時に、02年のソルトレーク冬季五輪でチケットを転売、飲食代に流用する不正な経理処理をした
として、編成局経理職員(37)を出勤停止7日の懲戒処分にした。それぞれの関係者も処分した。
NHKによると、チーフカメラマンは福井放送局勤務だった00年6月から04年12月にかけて、127回にわたり、上司の印鑑を勝手に
持ち出してビール券の発注伝票に押印。ビール券4830枚、計約354万円をNHKに購入させて着服し、取材協力者には渡さずにすべて
換金したという。
カメラマンは事実関係をすべて認め、全額を弁済した。「自宅ローンや単身赴任で生活費がかさむと思い不正を始めた」と説明して
いるという。
ソルトレーク五輪で不正経理を行った職員の当時の肩書はスポーツ報道センター職員で、不要になった観戦チケットを転売・換金
したとされる。
チケットはNHKが、国際オリンピック委員会(IOC)などを通じ取材用に購入した16競技分の302枚(約800万円相当)。規約では転売を
禁じられていた。職員は使用する必要がなくなったチケットを転売し、30万円をスタッフの飲食にあてるなどしたという。
2006年2月10日 朝日新聞朝刊
制作費を流用 懲役8年求刑 NHK元プロデューサー
NHKの番組制作費流用問題で、詐欺の罪に問われた元チーフプロデューサー・磯野克己被告(49)の公判が9日、東京地裁であった。
検察側は「一連の犯行が受信料不払いにつながり、良質の番組を提供する公共放送の責務にも多大な悪影響を及ぼしている」として
懲役8年を求刑した。
論告で検察側は、イベント企画会社の経営者らと共謀するなどして磯野被告が計約6230万円をだまし取ったと指摘。愛人と2人で
高級衣料品店で約2095万円の買い物をしたほか、2人の海外旅行代金として少なくとも約1784万円を使うなど高額の支出を繰り返した
とし、「交際費用の入手が犯行動機だった」と主張した。
2006年3月29日 朝日新聞朝刊
制作費詐取 元NHK職員に実刑
業者らと共謀してNHKから番組制作費をだまし取ったして、詐欺罪に問われた元NHK芸能番組部チーフプロデューサー・磯野克己被告
(49)=懲戒免職=に対し、東京地裁は28日、懲役5年(求刑・懲役8年)の実刑判決を言い渡した。村瀬均裁判長は「愛人との交際費など
私的な資金を工面するため犯行に及んだ。身勝手な動機にくむべき余地はない」と述べた。磯野被告は控訴しない方針。
判決は、被告は総じて主導的役割を果たしたと指摘。詐取額の6割にあたる約3800万円を得たことや、発覚後、口裏合わせを各方面
に働きかけていたことを挙げ、「刑事責任は重大」と述べた。
判決によると、磯野被告は業者4人と共謀。業者らが番組制作にかかわったようにみせかけ、NHKから計約6229万円をだまし取った。
◇
判決は「犯行がNHKの信頼を著しく損なった」と述べた。多くの視聴者にNHKへの不信を抱かせ、04年9月時点で3万1千件だった受信料
不払い・保留件数は、今年1月時点で累計125万件に達した。
再発防止を徹底
NHKの話 視聴者の皆様にあらためて深くおわびします。二度とこのような事件を起さぬよう、再発防止の徹底と信頼回復に
向けた取り組みに全力をあげます。
2006年4月12日 朝日新聞朝刊
NHK職員、着服 カラ出張242件 1700万円 懲戒免職
NHK(橋本元一会長)は11日、報道局スポーツ報道センターの大下哲史チーフプロデューサー(43)が、01年1月からの約5年間にカラ出張で
1762万円を不正に着服していたと発表した。同日付で大下チーフプロデューサーを懲戒免職処分したほか、原田豊彦放送総局長を減給
20%1カ月とするなど、当時の上司も含め計12人も処分した。
NHKでは04年7月に、元芸能番組部チーフプロデューサーが紅白歌合戦などの番組制作費をだまし取っていたことが発覚するなど
不祥事が相次いだ。昨年9月には信頼回復などを柱にした「新生プラン」を策定したが、大下チーフプロデューサーはこうした時期にも
不正を重ねていたことになる。
NHKによると、大下チーフプロデューサーは札幌放送局放送部に勤務していた01年1月から、05年6月の東京への異動をはさんだ今月
初めまで、242件の架空の出張申請をし、旅費や日当を不正に受け取っていたという。主にJリーグ中継を担当していたが、出張の日程
が過密だったことから上司が不審に思い内部調査を進めた。
調査に対し、大下チーフプロデューサーは「着服した金は服飾費や飲食費にあてていた」と不正を認め、全額弁済したという。
NHKは警察への被害届提出などを検討する。橋本会長は「視聴者の皆様の信頼を取り戻すため、3カ年の経営計画をスタートさせ、
全力で改革・再生に取り組んでいる矢先に、信頼を再び損なう行為が明らかになったことは、痛恨の極みです。心からおわび申し上げ
ます」などとするコメントを出した。
2006年4月17日 NHKは、発覚のきっかけは内部調査ではなく、「外部のスポーツ関係者とNHK職員の面談」だったと訂正した。
2006年5月26日 朝日新聞朝刊
NHK山口放送局長が辞意 旅費不正
NHK山口放送局の藤浪弘己放送局長が出張旅費で不正な処理をしていた、として内部調査を受けていることが25日、分かった。
放送局長は辞職を申し出ているという。
NHKの説明によると、放送局長は予定より出張が短くなった場合でも、あらかじめ受け取った旅費を返却しなかったことが何度かあった。
また前任地のNHK映像取材部(東京)に勤務していた当時、自宅のあった静岡県への出張をめぐって、経路や宿泊場所に不明な点があった
という。
NHK経営広報部は「近いうちに内部調査をまとめ、発表する」と話している。
2006年5月27日 朝日新聞朝刊
山口放送局長も不正調査で異動
出張費の不正な処理をしたとして退職を申し出ていたNHKの藤浪弘己山口放送局長が6月5日付の人事異動で報道局付となることが、
26日に発表された。NHKによると、23〜24日に退職の申し出があったが、出身母体の報道局に戻し、調査をしたうえで責任を明らかに
する方針。
2006年5月30日 朝日新聞朝刊
NHK 400万円分の不適当支出公表
NHKのスポーツ報道センター元チーフプロデューサー(CP)=懲戒免職=がカラ出張で計約1700万円を着服していた問題で、NHKが
全国で実施した緊急業務調査などの結果が29日、公表された。出張期間が短縮されたのに経費を戻すのを怠るなど不適当な支出が約300件・
約400万円分見つかったが、NHKは「意図的なものではなく、事務処理を忘れるなどの手続きミスだった」と説明している。
300件の中には、辞職を申し出たとされる山口放送局長(6月5日付で報道局付に異動)が99〜04年に、29件50万円の旅費や宿泊費の戻し入れ
などをしていなかったケースが含まれる。これとは別に、元CPがタクシー代の支払いなどで約240万円を不正、不適切に受け取っていた
ことも新たに判明した。
橋本元一会長は「不正を見抜けなかったことや事務処理などに不適当な面があったことを深く反省しています」とのコメントを出した。
2006年6月7日 朝日新聞朝刊
前山口放送局長 NHK懲戒処分
カラ出張をきっかけにしたNHKの緊急業務調査などで約300件の不適当な支出が見つかった問題で、NHKは6日、前山口放送局長を
6日付で停職1カ月とするなど、計3人の懲戒処分を発表した。前山口放送局長は99年から04年にかけて、出張の取りやめがあったのに、
事前に受け取った費用のうち計約51万円(29件分)の差し入れを忘れたとされる。
2006年6月14日 朝日新聞朝刊
NHK元CPを告訴
NHK職員のカラ出張問題で、NHKは13日、大下哲史元チーフプロデューサー(44)=4月11日付で懲戒免職=を詐欺と詐欺未遂の疑いで
警視庁に告訴した。
NHKによると、大下元CPは札幌放送局や東京のスポーツ報道センターに勤務していた01年1月からの約5年間に、242件、約1700万円
分のカラ出張をしていた。今年3〜4月の6件、約11万円(2件は詐欺未遂の疑い)について、証言が得やすいなどの理由で告訴した。
2006年6月14日 朝日新聞朝刊
売上高146億円減る
NHKは13日、子会社21社、関連会社4社を含めた05年度の連結決算を発表した。経常事業収入(売上高)は7471億円で前年度に比べて
146億円(1.9%)の減で前年度の増収から減収に転じた。当期事業収支差金(純利益)は70億円で、同76億円(52%)の減となり、
2年連続の減益だった。
2006年6月15日 朝日新聞朝刊
NHK職員譴責処分 ー 受信料着服ではありませんが・・・
NHKのバラエティー番組「爆笑オンエアバトル」のDVD制作で、当時の番組担当プロデューサーが、DVD制作を委託された会社から
交際費として280万円を受け取った問題で、NHKは14日、このプロデューサーを譴責の懲戒処分にした。
2006年6月17日 朝日新聞朝刊
NHKエンプラ管理職3人処分 「暴力団に現金」問題 ー 受信料着服ではありませんが・・・
「?がれた明日」(3月放送)の撮影で「暴力団にみかじめ料が支払われた」と、今年2月に週刊新潮に報じられた件で、番組を制作した
NHKエンタープライズは15日、同社が「みかじめ料を支払った事実はない」と以前からの主張を繰り返す一方、「外部スタッフが撮影協力費
として金を渡した相手は警視庁の調べで暴力団関係者だったことが明らかになった」として、監督責任の観点から、番組の制作管理職を14日付
で処分したことを明らかにした。
ドラマ番組エグゼクティブプロデューサーが譴責、ドラマ番組部長と制作本部長(常務)の2人が訓告。
暴力団関係者に10万円を渡した外部スタッフからは返金してもらったという。金銭授受が絡んだ撮影現場でのシーンは放送されなかった。
2006年7月29日 朝日新聞朝刊
NHK関連職員 370万円私的流用 ー 受信料着服ではありませんが・・・
NHK関連団体の財団法人NHKサービスセンターは28日、NHK杯国際フィギュアスケート競技大会の出納業務を担当した男性職員(38)
が、大会費から約370万円を私的流用したと発表し、同日付で職員を懲戒免職に、山田勝美理事長ら役員6人を減給処分にした。
センターによると、NHK杯は日本スケート連盟主催でNHKが共催。センターは連盟から出納業務や入場券の配券業務などを委託されている。
職員は00〜05年度の間、当日入場券収入などを入金する口座の管理責任者で、00〜04年度の5大会分で、収入を実際より少なく報告するなどし、
口座から金を抜き取った。
職員は流用を認め、「消費者金融への返済や飲食、タクシー代にあてた」と話したという。
2006年12月27日 朝日新聞朝刊
不適切処理1149件
NHK、7年分の1476万円
NHKは26日、カラ出張の発覚などを受けて8月から行ってきた「全部局業務調査」の結果を発表した。職員による不適切な経理処理や事務処理
などが99年度から05年度までに469人、1149件あり、約1476万円を戻し入れさせる。出張清算の不備が主で、番組制作費の重複支払い
などもあった。
公金の詐欺にあたる不正はなかったと説明しているが、不適切処理が多額だった職員5人と上司1人の計6人を停職1カ月から減給の処分とし、
ほかに177人を訓告や厳重注意にした。
99年度以降の書類・経理伝票約3千万件を調査したとしている。内訳は@事前に請求した出張旅費の未清算433件(922万4千円)A日当の
誤請求・重複請求253件(94万2千円)Bタクシーの不適切な使用など377件(120万3千円)C出演料や委嘱料などの重複支払い57件
(339万7千円)D備品などの台帳との不符合29件。