台風26号:タンク周辺雨水を敷地内に排出 福島第1原発
毎日新聞 2013年10月16日 11時26分(最終更新 10月16日 12時48分)
東京電力は16日、台風26号による大雨で、福島第1原発の汚染水をためる貯蔵タンク周辺にあるせき内にたまった雨水を敷地内に排出したと発表した。東電は大雨で雨水が満水になり、放射性物質濃度が高い水があふれ出ることを避けるため、外部へ排出できる雨水の放射性物質濃度の基準を決め、原子力規制庁が15日夜に了承した。この基準未満の水を排出した。
一方、放射性物質濃度が高い恐れがある雨水は、緊急措置として今年4月に汚染水漏れで使用停止となった地下貯水槽7基のうち、使ったことがない1基へ移送を始めた。台風の通過後に仮設タンクへ再移送する予定。
東電によると、せき内の雨水を排出する基準は、ガンマ線を出す放射性物質を検出せず、放射性セシウム134が1リットル当たり15ベクレル未満、セシウム137が同25ベクレル未満、ストロンチウム90が同10ベクレル未満。せき内の水はいったん仮設タンクに移送し、濃度が基準未満の場合に排出する。
東電は「Cエリア」と呼ばれる区域のせきから、仮設タンクへ雨水を移送。基準未満だったため、16日午前5時40分ごろから、計40トンの水を排出した。その後も雨水はたまり、同日正午現在、5エリアで順次排出している。水の濃度は最大でセシウム137が同21ベクレル、ストロンチウム90が同9.5ベクレル。その他は検出限界値未満だった。【鳥井真平】