オスプレイ:訓練恒久化に懸念 演習場周辺で抗議 滋賀

毎日新聞 2013年10月16日 16時53分

 「欠陥機は出て行け」。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを使った国内初の日米共同訓練が実施された滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場周辺では16日午前、市民らの抗議の声が響いた。一方、演習場と共存してきた街の住民からは「事故は困るが、町の経済には自衛隊が欠かせない」といった声も上がった。【塚原和俊、石川勝義、村松洋】

 16日午前、演習場周辺では県内外から集まった約30人が反対集会を開き、「饗庭野を軍事基地にするな」などと訴えデモ行進した。抗議を呼びかけた野坂昭生さん(70)は「反対の強いオスプレイを登場させ、国民に容認させるための訓練」などと訴え、訓練恒久化にも懸念を示した。

 この日、オスプレイは演習場東側の高島市役所周辺の上空で飛行が確認された。監視活動を続けた「あいば野平和運動連絡会」の早藤吉男共同代表(72)は「低空を激しい音を出して飛んでいた。住宅や市民の頭上を飛び、いつ落ちるか分からず心配。全国各地で飛行訓練を行う突破口に高島が選ばれた怒りは強い」と話した。

 一方、別の思いを持つ市民も。「演習場は、市の経済に欠かせない」と高島市の前市長、西川喜代治さん(65)は指摘した。市によると、2004年度以降、計約60億8000万円の交付金などが防衛省から交付された。高島市在住で07年まで沖縄料理店を営んでいた沖縄県出身の山川宗一さん(71)は「沖縄の負担を、全国で分かち合えるか考える良い機会」と期待。市内の現職自衛官は「訓練で、隊員と市民の間に不信感が芽生えるとすれば悲しい。国は安全性を丁寧に説明し、理解してもらう努力を続けてほしい」と話した。

 訓練終了後、滋賀県の嘉田由紀子知事は「無事終わり、ほっとしている。沖縄の負担軽減のためというのは理解できるところもある」としたうえで、更なる負担軽減に向けて今後、全国知事会などで検討する考えを示した。また高島市の福井正明市長は「天候を心配したが、この程度なら安全に対応できると分かった。最後まで飛行ルートについての情報がもらえなかったのが残念だ」と話した。

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