松阪市議会は十五日の総務生活委員会で、市が今定例会に追加提案した市民まちづくり基本条例案と住民投票条例案を賛成少数で否決した。十八日の本会議で採決されるが、成立は難しい情勢だ。
市民まちづくり基本条例案の討論で、海住恒幸氏(無会派)が「より多彩な人々の参加をまちづくり施策に活用できるという点で大きなメリットがある」と賛成理由を説明。一方、植松泰之氏(真政クラブ)は「市民の定義に住民以外も含まれる。住民投票権を外国人にも付与している」。野口正氏(青凜会)は「定住外国人は今でも行政サービスを受けているが、それ以上を望むなら日本国籍を取っていただくのが筋」と反対した。
海住氏は継続審査を求めたが認められなかった。採決結果は賛成二、反対四。住民投票条例案も同様の理由で賛成二、反対四で否決された。委員会終了後、山中光茂市長は「市民まちづくり基本条例案の理念は松阪市の象徴。反対するにはそれ相応の理由がないと市民も納得できないのではないか」とけん制した。
両条例案は昨年二月の市議会定例会で否決された。市内四十三地区でまちづくりを担っている住民協議会からは、市長が交代しても活動の継続が担保されるよう協議会の裏付けとなる条例の制定を求める声が根強くある。
市議会は昨年十二月、住民協議会に特化した条例制定を求める決議をしたが市側は特化した条例案は困難として市民まちづくり基本条例案という形で再提案した。
(戸川祐馬)
この記事を印刷する