ナインを前に身ぶり手ぶりを交えてスピーチする原監督

　巨人が今さらながら広島の勢いに戦々恐々としている。宮崎から戻ったナインは１４日、東京ドームで全体練習を行った。綿密に内野連係を確認するなど集中した雰囲気で調整に励んだが、ベンチ裏の話題はやはりカープ一色となった。

　楽勝ムードは皆無だ。主将の阿部が「勢いがあるので押し潰されないようにしないと。そこだけだね」と警戒感を強めれば、阪神との試合映像を自宅でチェックした村田も「なんとなく広島が来るかなとは予想していましたが、強いですね」と感想を漏らした。

　今季の対戦では１４勝８敗２分けと圧倒しているものの、９月に限れば２勝５敗と負け越した。さらに広島が敵地・甲子園で阪神を一蹴したことで、ナインの目にも脅威と映り始めたようだ。

　あるチームスタッフは「初戦は大竹で、２戦目がマエケンか。アドバンテージがあっても、初戦を取らないと追い込まれるね。マエケンはもう１回投げるだろうし…」と相手の先発順を予想して弱気な表情を浮かべた。さらに、今になって「勝率５割に届かなかったチームと日本シリーズをかけて戦うっていうのは制度的にどうなんだろう」とＣＳ制度に疑問を投げかける関係者も出現するなど、チームには不安な空気でいっぱいだ。

　ロペスら故障者も戻り、杉内も宮崎合宿中の実戦で復調をアピールするなど投打に調整は万全。普段通りの戦いをすれば負けることなどありえないはず、なのだが…。