鯉の滝登りはいつまで続くのか――。本紙専属評論家・伊原春樹氏が、16日から始まるセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(東京ドーム)の行方を占った。3位広島は2位阪神とのファーストステージを2連勝で突破して勢いを見せつけたが、迎え撃つ巨人は今季14勝8敗2分けと広島を圧倒している。勝つのは王者・巨人か、勢いの広島か? 伊原氏は「カギを握るのは初戦」とした上で、広島の22年ぶり日本シリーズ進出の可能性について言及した。
【伊原春樹氏 鬼の手帳】広島は決して「強いチーム」ではない。144試合のレギュラーシーズンを戦って優勝した巨人とは17ゲーム差。16年ぶりのAクラス入りを果たしたとはいえ、借金も3つあった。だが、レギュラーシーズンとCSはまったくの別物だ。今季はシーズン終盤になるにつれてチーム状態が上がっていき、投打のバランスが格段に良くなった。勢いもある。巨人としては間違いなく「嫌な相手」だろう。
投手陣には前田健という絶対的エースがおり、大竹、野村、バリントンと今季2桁勝利をマークした先発メンバーが並んでいる。この4本柱を揃えているのは短期決戦を戦う上で相当なメリットだ。昨年のCSファイナルステージで巨人と戦った中日のケースを思い出してほしい。初戦から3連勝で日本シリーズ進出に王手をかけながら先発のコマ不足から最終的に涙をのんだ。その点、広島の先発4投手はコンディションもいい。中日の二の舞いとなるようなことはないはずだ。
どちらが勝つにせよ、カギを握るのは初戦だろう。今季の対戦成績は巨人の14勝8敗2分け。広島にしてみれば「勢い」を生かしたいところで、第1戦の先発として有力視されている大竹が巨人打線相手に、どこまで抑えることができるかがファイナルステージ全体の流れを左右すると言ってもいい。優勝した巨人に1勝のアドバンテージがあるとはいえ、広島が初戦を取って1勝1敗のタイとすれば、巨人にも焦りとプレッシャーがのしかかってくる。
攻撃陣も巨人には“いやらしく”映っているはずだ。途中入団のキラが大砲として打線の中軸に座ったことで厚みとつながりが出てきた。そして丸や菊池、梵といった脇役たちがバントやエンドラン、盗塁など小技を駆使して、かく乱する。似たようなスモールベースボールは原監督もやってくるであろうが、広島に合わせ鏡のような戦いをされれば巨人ベンチは混乱する可能性もある。それこそ初戦を落としてバタつくようだと、勝利の女神が広島にほほ笑んでも不思議はない。
そんななかで巨人に求められるのは“普段通りの野球”だ。広島の勢いにのみ込まれてしまっては元も子もない。舞台は本拠地・東京ドーム。よそ行きの野球などせず、セの王者らしく堂々と戦うこと。そうすれば「勝利」の2文字はおのずと見えてくるはずだ。(本紙専属評論家)
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