ジャンピングボマイェを見舞う中邑（左）

＜新日本プロレス両国国技館大会（１４日）＞　ＩＷＧＰインターコンチネンタル王者の中邑真輔（３３）が、ノアの丸藤正道（３４）を退け２度目の防衛に成功した。

　たぎりまくった。待ちに待った丸藤との初シングル。中邑は興奮と喜びを隠し切れず、不気味な笑みを浮かべて天才児と対峙した。力量を確かめ合うようにバックを取り合うと、キックはお互いが顔面スレスレでかわし続ける。

　丸藤がエプロンでの危険なパイルドライバーから、執拗なコブラクラッチで攻めるが、１０分過ぎに勝負を狙ったコーナー・トウ・コーナー、不知火は不発に終わる。すると中邑はリバースのパワースラム。丸藤は再度の不知火を決め、お互いに主導権を譲らない。

　そして１５分過ぎ、中邑が全身を小刻みにバイブレートさせながら、顔面へ突き上げるような蹴りを決めて丸藤の動きを止める。そこから鮮やかなスライディング式ボマイェから正調式ボマイェの連打で、３カウントを奪った。

　試合後には鈴木みのるが鈴木軍を引き連れてリングジャック。「もっとたぎりたいんだろ？　たぎらせてやるよ！」と挑戦を表明。中邑は身をクネクネさせながら「聞いてなかった。うっそー！」と受け流したうえで「答えはもちろん、イヤァオ！」と性悪男の挑戦を受諾し、１１・９大阪での激突が確実となった。

　丸藤については「俺たちなら、もっとたぎらせられるんじゃない？」と今後に含みを持たせたうえで「鈴木軍に入れなんて初めて言われた。入っちゃおうかな？」と最後まで中邑節は全開だった。もはや誰も踏み入れたことのない領域へ突き進む一方の中邑。誰にも止められそうにない。