2011年度合格体験記

論文2位合格者 水野遼さん

合格率が低いということは、その分後々の評価が高くなるかもしれない

プロフィール
年齢:21歳
学歴:東京大学3年生
旧司法試験受験経験:なし
略歴
福岡市出身。2009年、東京大学入学(現在在学中)。2010年、公認会計士試験合格(LEC会計士講座出身)。旧司法試験受験歴は無し。日商簿記1級。社会学者の宮台真司、上野千鶴子の大ファン。ちなみに血液型B型で左利き。

一日のスケジュール

時間 行動 詳細
9:00 起床 私は夜行性(夜型?)なので、起きるのは遅いです。これは人それぞれでしょう。
10:00 外出 朝食をとって、喫茶店に向かいます。
11:00〜 勉強 喫茶店で、百選や基本書のたぐいを読んでいます。
14:00 昼食 ランチタイムに昼食にするときもありますが、ちょっと外した方が空いているので好きです。
15:00〜 勉強 答練や練習問題等、今度はアウトプットに力を入れます。
18:00 夕食 ここは軽食です。
19:00〜 所用  
21:00〜 飲み会  
0:00〜 帰宅 帰ってから、眠くなるまでWEB講義をきいていました。
2:00 就寝 寝るのは2時から3時でしょうか。

LECのよいところ

私は、東京裁判で判事を務めた、インドの国際法学者、ラダ・ビノード・パール博士を非常に尊敬しており、以前から法曹界に憧憬の念を抱いておりました。しかるに昨今の日本における法科大学院制度や、マスコミで騒がれている弁護士の就職問題等から、尻込みしていたところでありました。そんな折、旧司法試験に代わる制度として「予備試験」なるものがスタートするという話をきき、これこそ究極の抜け道と考えました。これはやるしかない、私はチャンスを与えられたのだと確信し、その日から奮起して、会計士講座でお世話になっていたLECの門を再び叩いた、というのが、私が予備試験を受けるきっかけとなった出来事であり、LEC予備試験講座を受講するようになった経緯です。
とはいえ、旧司法試験受験経験のある方々に対して、私は(会計士講座で受講していた会社法以外は)ほぼ1からのスタートであり、時間もそれほどにはなかったため、まずは独学でいわゆるインプットを行い、その上でLECの答練を受け、アウトプットを練習する、という方法を採ることにしました。
LECの予備試験論文対策講座は、それぞれの法律科目毎に9回ずつ答練が行われ、論点を一通り網羅している上、ホットな話題も典型論点も漏らさない作りとなっており、非常に充実している印象を受けました。事実、本番についてかなりの確度で的中させていることからも、よく考えられていることがわかります。憲法と民訴法については大当たりという感じで、とても助かりました。添削はかなり丁寧に行われ、インターネット上で確認できるためにいちいち取りに行く手間がかからないという利点があります。また採点表がついており、採点の過程が明らかになるので、納得できる作りになっていると言えます。
私は基本的にWEB講義を受講していましたので、好きなときに講座を見ることができる点、答案が添削されて返ってきて、復習をきちんと行いたい部分のみをじっくりと見ることができるという点において、通学よりも格段に優れていると思います。またテキストやレジュメが要領よくまとまっており、効率的な学習に役立つと思います。
もっとも、論文直前期には、予備試験ファイナル答練の伊藤ゼミを受講し、これに通っておりました。少人数のアットホームな雰囲気で、丁寧に添削をしていただいたほか、本で読むだけではなかなかつかみ所のない、実務的な観点からの話を多くしていただき、実に参考になりました。伊藤ゼミでは予備試験特有の新しい科目である、法律実務基礎に特に力を入れており、刑事事実認定や法曹倫理、要件事実を重点的にやっていたおかげで、予想外の問題にも冷静に対処することができました。上位合格することができたのは、特に伊藤ゼミによるところが大きいと思います。択一後論文までの貴重な時間を賭けるだけの価値は充分あるし、むしろおつりが戻ってくることでしょう。
では、私の学習方法や学習を通じて思った点について少しご紹介させていただきたいと思います。
まず、択一も論文もですが、判例の知識が十分にあることが不可欠だと思われます。少なくとも百選、及び最近の重判には全部目を通しておくべきでしょう(手形小切手や執行・保全までは要らないと思いますが)。また「最高裁 時の判例」シリーズが、現役の裁判官の方が書かれているので特によいと思います。その上で、あまり判例とかけ離れた説、偏った説にはよらない方が無難であると思われます。何も考えずに判例の見解を鵜呑みにするのはよくないですが、実務的に通用しない説(憲法とか、民訴刑訴でたまにありますね)で行くと、一貫性の確保や理由付けに窮して余分な苦労をすることが多かったように思います。そのため、最初のうちはできるだけ中立的なテキストで学習すべきです。特定の学者のものではなく、LECのテキストや、実務家の本、あるいは何人かの(主として若手の)先生が共著されている本を用いるべきでしょう。ちなみに個人的には、テキストに蛍光ペンで印をつけるのはあまりよくないと思います。
また、論証する際には丁寧に条文を挙げていくことが何より重要であると思います。当たり前のような事項でも、丁寧に条文を指摘することで、六法を引くのにも慣れますし、新たな発見があることもあるでしょう。
問題集を解くときは、手書きでもいいですが、効率性を追求するにはワープロソフトを用いてキーボードで打ち込むのがよいでしょう。答練の時は嫌でも手で書くので、書くのには困らないと思います。字はなるべく丁寧に書く方が絶対に印象がいいです。またこれは人それぞれでしょうし、筆圧の強い方にはあまりお勧めできませんが、私はかなり細い0.38ミリか0.28ミリのペンを使っていました。早く、きれいに書く練習をしておくだけで、相当改善されると思います。
最後に、参考書でお勧めのものをいくつか紹介しておきます。憲法は小山剛「憲法上の権利の作法」、行政法は(オーソドックスですが)櫻井・橋本「行政法」、会社法は弥永真生「リーガルマインド会社法」、刑法は司法協会「刑法総則講義案」、刑訴法は加藤康榮「刑事訴訟法」、司法協会「刑事訴訟法講義案」、法律実務基礎民事は、これも必読な感じがしますが法曹会「紛争類型別の要件事実」、刑事は石井一正「刑事事実認定」、法曹会「検察講義案」です。これに加えて百選と適当な判例集があれば、大抵の場合は少なくとも知らないで困る、という事態にはならないと思います。
今後についてですが、金融・会計分野に明るいことを生かし、会社法務特にM&A、税務、行政対応特に独禁法分野を中心に活躍できればいいと思います。またひいてはシンガポール、タイ、インド、インドネシア等の東南アジアに活躍の場を広げたいと考えています。ただ、予備試験の趣旨は、弁護士ではなく寧ろ優秀な検察官や裁判官としての人材確保にあると言われていることからすると、世のため人のためにはどうすればよいのか迷うところでもあります。


予備試験のアドバンテージ

最初に言っておきたいのですが、予備試験ルートは相当なオフロード、荊の道だと思います。合格率は非常に低く、すべて自分で管理してやらないといけないので、高度の計画性と実現力が必要です。少なくとも、相当法律が好きでないと続かないでしょう(法科大学院でも判例の原典を大量に読まされるらしいですが)。
しかしながら、法科大学院の学費は非常に高く、これをカットできること、そして2年間あるいは3年間早く実務に出られること、この2点は非常に魅力的だと思います。法科大学院制度の下、法曹を目指す利点はないのではないかと思っていた私が、一転してかつての目標を追いかけようとしたのもまさにその点にあります。
そしてまた、合格率が低いと言うことは、その分後々の評価が高くなるかも知れないと言うことでもあります。採用側が旧司法試験組と同じように考えてくれるのであれば、かなり優位に立てるのではないかと思われます。この点はやや楽観的に過ぎるかも知れませんが、それは我々第一回合格組が期待を裏切らないか否かにかかっているのかも知れません。


終わりに

冒頭でも紹介しましたパール博士ですが、彼が法律家になったのは、当時イギリスの植民地支配を受けていたインドにおいて、イギリス人と対等に話ができるのは法律家しかなかったからであると言われています。そして博士は東京裁判のインド代表判事として来日し、連合国が伝聞法則など無視して、反論を許さぬままに有罪を下そうとする中、ただひとり裁判そのものの国際法上の正当性や遡及処罰の禁止等の問題点を指摘して、被告人全員の無罪を主張したことで有名になりました。
権力や暴力に対しても、論理を駆使し正義を掲げて敢然と立ち向かうことができ、またそうすべき義務を負っている点で、法律家というのは崇高な職業(Beruf)であると考えます。そのような道を志した以上、やり遂げるのは粒々辛苦でしょう。しかしそれを完遂したとき、より大いなる人間へと成長することを信じて、私はここまで努力してきたつもりです。皆さんも是非大いなる志の下に、この道を歩もうではありませんか。第一回合格組として、荊道に獣道を作るパイオニアとなれたならば光栄です。

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