韓国高速鉄道(KTX)の部品の納品をめぐり、韓国製のものを輸入品に、また中古品を新品に見せ掛けるといった詐欺行為や、入札に関する談合、収賄などが検察に摘発された。
光州地検特捜部(シン・ウンソク部長)は15日、詐欺や文書偽造、収賄などの疑いで、KTXの部品の納品業者の社員・役員7人と、韓国鉄道公社(KORAIL)の社員2人を逮捕・起訴するとともに、別の納品業者の関係者5人を在宅起訴した。
納品業者の元社長(53)ら7人は、輸入申告書を偽造し、韓国の業者が製造したボルトなどの部品を、フランスから輸入した製品と称して納品し、2000万ウォン(約185万円)ほどの不当な利益を得た疑いが持たれている。また韓国製の部品をドイツからの輸入品と称し、ソウル市都市鉄道公社(地下鉄5-8号線を運営)などに納品して、約2億5000万ウォン(約2300万円)をだまし取っていたことも分かった。
一方、別の納品業者の社長(46)ら3人は、中古品のチェックバルブやブレーキバルブなどを新品と偽って納品し、約3億3000万ウォン(約3000万円)をだまし取った疑いが持たれている。
このほか、ペーパーカンパニーを設立し、納品代金19億ウォン(約1億7500万円)を横領したり、85億ウォン(約7億8350万円)相当の虚偽の損益計算書を発行して税金の支払いを逃れたりした業者や、談合により入札を妨害した業者なども摘発された。
不正な形で納品されたKTXの部品は計29品目、1万7521個に上った。またソウルの地下鉄にも3品目、2607個の部品が不正な形で納品されたことが分かった。
検察は摘発された部品について、チェックバルブやリレー(継電器)など、主にKTXの車両のブレーキに用いられる重要な部品であるものの、列車全体の安全性に大きな影響を及ぼすものではないとみている。
KTXの列車1編成(20両)には、3万5000品目、200万個ほどの部品が使われていることを考慮すると、不正な形で納品された部品の数は少ないため、一部の車両に問題が生じたとしても、ほかの車両のブレーキや非常ブレーキなどを使用することにより、列車を安全に停車させることができる、と検察は説明した。