あいりん地区に象徴される日雇い労働者の町というイメージが強い大阪市西成区。同区役所は、区の歴史を知ってもらうことで地域力の醸成につなげようと、地域の古地図などの歴史資料をデジタル化して整理、公開する「西成情報アーカイブ」を8日、同区出城2丁目の大阪市社会福祉研修・情報センター内にオープンした。6月に大阪市立大と締結した連携協定に基づく市民向け取り組みの第1弾。同日から区の成り立ちなどを知ることができる企画展示をスタートするとともに、記念講演会を開いた。
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記念講演で絵図や地図などで西成の歴史について語る水内教授(右)=8日午後、大阪市西成区 |
同区役所はことし6月、住之江、住吉の2区役所とともに、同大学と連携協定を結んだ。以前から、同大学の教員がそれぞれの地域でフィールドワークを行い、まちづくりの分野などで連携を図っていたが、協定締結を機に、大学と自治体がより一体となって地域の課題に取り組むことになった。
西成情報アーカイブは、区と同大学が共同で地域に残る歴史、文化、学術的に貴重な資料を収集。これまでに書籍や絵図、写真など約7千点を所蔵し、このうち約3千点をデジタル化して保存。学術研究につなげるとともに、同センター内に市民が気軽に資料を閲覧できるスペースを設けた。
同日から始まった記念展示では、1925年に大阪市が周辺の町村と合併して「大大阪」と呼ばれるようになる直前の西成郡の街並みが見える「大阪市パノラマ図」(1924年)をはじめ、鳥瞰(ちょうかん)図で有名な絵師、吉田初三郎が手掛けた難波、天王寺から住吉大社などをつなぐ交通機関が西成区内を通る様子を描いた「大阪府交通略図」(1932年)など、約20点が飾られている。
記念講演では同大学都市研究プラザの水内俊雄教授が「絵図・地図でめぐる西成」をテーマに語り、かつては堺と大坂の二大消費地を結ぶルートとして政治や経済、文化の最先端の息吹を西成は受けていたことなどを指摘した。
臣永正広区長は「西成はマイナスのイメージが強いが、子どもたちに長い歴史のあることを知ってもらうことで誇りを感じてもらい、まちづくりにつなげたい」と話していた。
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