不思議な物体:吾妻連峰でヘリうろうろ…電磁波で調査中

毎日新聞 2013年10月10日 18時06分(最終更新 10月10日 18時33分)

ミサイルのような形状の地質調査機器をつり下げて飛ぶヘリコプター=福島市の吾妻連峰で2013年10月8日撮影
ミサイルのような形状の地質調査機器をつり下げて飛ぶヘリコプター=福島市の吾妻連峰で2013年10月8日撮影

 秋の行楽シーズンを迎えた福島県の吾妻連峰の一切経山(標高1948メートル)付近で、ヘリコプターがミサイル状の細長い物体をつり下げて低空飛行を繰り返し、登山客らの間で物体の正体を巡るさまざまな憶測を呼んでいる。真相は、国土交通省の委託事業で、電磁波を使った初の空中からの地質調査。富士山を含む15の主要火山で新たな火口となりうる場所や土砂崩落の恐れのある斜面を特定するのが目的という。

 複数の登山客によると、ヘリは物体が地上30メートル付近になるよう高度を維持し、毎日往来している。県内では原発事故の影響が続くだけに、「放射性物質の調査か」といったうわさも飛び交っている。

 国交省によると、物体は電磁波を地面に放射して地下を探る特殊な装置。従来はボーリング調査が主流だったが、この装置は地形に関係なく短時間で地盤の強弱や地層構造を解明できるという。震災後に全国の火山で噴火の恐れが指摘される中、同省は装置の導入で初の全国調査を始めた。

 対象は、気象庁が監視する47火山のうち、噴煙でヘリを飛ばせない桜島(鹿児島)などを除き「噴火の危険性がある」火山を絞り込んだ。県内は吾妻連峰と磐梯山が対象だが、いずれも差し迫った危険はないという。

 全国調査は来年度まで続く。国交省は極秘調査ではないとしつつ、結果は「公表しない」。「危険な場所を特定できれば、効率的な対策が取れる」(同省砂防計画課)と理解を求める。【栗田慎一】

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

週刊エコノミスト

週刊エコノミスト

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

環境の毎日

環境の毎日

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

日報連

日報連